地元の友達が、久しぶりに遊びに来ることになった。
私は4日間の休みを取った。
携帯のけたたましいアラームは封印。
朝は好きな時間に起きて、ゆっくり身支度。
観光して、美味しいものを食べて、あーでもないこーでもないと笑い転げる。
どうでもいい話で、数年の空白を埋めた。
——介護の話をしない時間なんて、いつぶりだろう。
夜はぐっすり眠れた。
肌艶もよくなって、顔にうっすら「人間の色」が戻ってきた気がする。
でも、心のどこかで思った。
こういう時間を、見ないようにしてきた。
こういう時間を、欲しないようにしてきた。
“頑張ること”に慣れすぎてたのかもしれない。
“誰かのため”に生きるのが、体に染み付いている。
あと少し。
あと少しだけ頑張ったら——
介護を、卒業したい。
