長崎のグループホームで起きた火災事故については、すでにご存知の方も多いはず。介護保険法施行以降、グループホームが急激に増えているようです。但し施設の安全管理はまだまだ整っていないようです。以下NHK NEWSWEBより引用
認知症の高齢者が入居するグループホームは、比較的規模の小さい家庭的な環境の中で共同生活や介護を行う施設として、平成12年の介護保険法の施行以降、急増してきました。
厚生労働省によりますと、こうしたグループホームは、法律施行当初は全国の事業所数が600か所余りでしたが、おととしには1万1000か所余りとなり、この10年ほどでおよそ16倍になりました。
利用者もおととしの時点でおよそ16万3000人と、当初のころのおよそ30倍に増加しています。
認知症の高齢者が入居するグループホームの定員や職員の配置は、厚生労働省が介護保険法に基づいて基準を定めています。
それによりますと、個室や食堂、トイレ、浴室といった、居住に欠かせない設備が一とおりそろった状態を施設の1つの単位として、定員は5人以上9人以下と定められています。
各事業所は、2つの単位の施設まで運営することができます。
職員の数は日中の時間帯は入居者3人に対して1人、夜間は入居者の数にかかわらず、1人は配置するように定められています。
また、施設の管理者は、3年以上認知症の患者を介護した経験のある人が常勤で勤めるよう求めています。
スプリンクラー設置進まず
グループホームや特別養護老人ホームなど、自力での避難が難しい人がいる福祉施設では、これまでにも多くの犠牲者が出る火災が繰り返し起きていて、火災の初期消火や延焼防止に効果があるスプリンクラーの設置基準が強化されてきました。
昭和62年、東京・東村山市の特別養護老人ホームで起きた火災で17人が死亡しました。当時、スプリンクラーは延べ床面積が6000平方メートル以上の大規模な建物などにだけ義務づけられていましたが、この火災をきっかけに法令が改正され、昭和63年からは避難の難しい人が入所する福祉施設の場合、1000平方メートル以上の施設にスプリンクラーの設置が義務づけられました。
平成18年、長崎県大村市の認知症の高齢者が入居するグループホームで7人が死亡する火災が起きたことからスプリンクラーの設置基準がさらに強化され、平成21年4月からはより延べ床面積が小さい275平方メートル以上の施設に義務づけられました。
同時に、消火器の設置や消防への火災通報装置などは面積に関係なく、すべての施設で義務づけられるようになりました。ただ、スプリンクラーの設置は、今回火災が起きたグループホームのように、面積が小さく設置義務のない施設ではあまり進んでいません。
3年前に国が行った調査では、認知症の高齢者が入居するグループホームのうち、設置義務のない施設の93.3%に当たる1971か所でスプリンクラーが設置されていませんでした。
総務省消防庁などによりますと、認知症の高齢者が入居するグループホームは近年急増してきましたが、もともと別の用途で建てられた建物を使用しているケースが多く、特に最近は住宅などを改造した小規模な施設が増えているということです。
平成22年3月に火災で入居者7人が死亡した札幌市北区のグループホームでは、規模が小さかったためスプリンクラーの設置義務がありませんでした。
このため、専門家や自治体などからは、スプリンクラーの設置基準を施設の面積によって決めるのではなく、認知症の高齢者などが入居するすべての施設に義務づけるとともに、設置のための公的な助成制度を拡充させるべきだという声も上がっています。
防火対策の専門家は、今回火災が起きたような小規模なグループホームでもスプリンクラーの設置を進めないかぎり、同じような被害を繰り返すと指摘しています。
東京理科大学の関澤愛教授は、今回火災が起きたグループホームの映像から、4階の窓やひさしが焦げた跡は、2階の火元から炎と煙が窓を突き破って噴き上がってできた痕跡で、火元では激しく燃えていたと考えられると指摘しました。
また、防火扉が設置されていなかったことについて、「防火扉が設置されていないと短時間で建物中に煙が充満し、避難しようとしても方向を見失って避難に時間がかかったり一酸化炭素中毒になったりする可能性がある」と述べました。
そのうえで「認知症の高齢者がいるグループホームでは職員1人で9人を避難させるのは時間がかかるため不可能で、人の力に頼らずスプリンクラーを設置することが必要だ。スプリンクラーの設置が進まない背景を探り、解決をしないと同じような被害を繰り返す」と指摘しています。
今回長崎で起きたグループホームの火災は新聞でも大きく取り上げられていました。利用者や家族のニーズに応え介護施設が次々と建てられています。
施設が建てられるのはとっても良いことですが、事故が目だってしまうようであれば今よりもさらに基準を厳しくするしかないかも知れません(^_^;)
またスプリンクラーの設置で災害が最小限に防げるのなら小さな介護施設でも行政による定期的なチェックを行い、基準に満たない場合はクリアになるまで営業停止にするなど今よりさらに厳しい基準となる可能性もあります![]()
今回の事故でどのような基準が新たにできるのか。介護施設の経営者にとっては厳しい判断が下されるかもしれません。今後の行政の動きも頻繁にチェックしていく必要がありますね![]()