【歩行器の使い方】馬蹄型歩行器 

こんにちは!

介護用品スタッフ1号です

 

 

 

今回からは歩行器の使い方についてお話します

今日説明するのは「馬蹄型歩行器」です

 

 

 

「馬蹄型」というと

わかりづらいかもしれませんが

病院でよく使われているような

腕を支える部分がU字に

なっているタイプの歩行器です

 

一般的に歩行器と言えば…で

真っ先に想像される機種ですね爆笑

 

 

 

【馬蹄型歩行器の使い方】

・体を歩行器の馬蹄部分の囲いの中に入れる

・馬蹄部分の高さを本人の肘の高さに合わせる

(背筋を伸ばして前ならえの姿勢の肘の高さ)

・馬蹄部分に上腕を乗せて歩行する

  

 

【特徴・注意点】

・状態の悪い方でも使用可能

  ※歩行状態が比較的良い方は

   歩行車タイプやウォーカータイプでOK

4輪とも360度回転できるタイプと

 前輪のみ回転するタイプがある

・腕が馬蹄部から落ちないように

 馬蹄部横ににエッジのついたタイプもある

 

↑馬蹄部横に腕が落ちないようエッジが付いている


・本体が大きいので在宅で使えない可能性も

・段差に弱い(基本的に屋内で使用)

  ※屋外でも使用できるタイプもある


↑屋外でも使用出来る「ラビットトール」


・体と歩行器を離して使うと

 前のめりに転倒する危険有

  ※転倒を防ぐ為車輪に

   抵抗器がついているタイプもある

 

「アルコーSK」後輪に抵抗器がついている↑




私は在宅での福祉用具導入の仕事を

ずっとしてきましたが

馬蹄型歩行器は

・狭いおうちに合わなかったり…

・段差があって導入を見送ったり…

といった経験を数多くしています

 



馬蹄型歩行器は

歩行状態が悪い方であっても

歩行器の中で一番安定して歩行できるので

通路が狭かったり段差が多かったり

という住環境が導入の妨げになるのが

逆につらかったです😭

 

 

 

日本の狭い家屋に合わせて

コンパクトなタイプも増えていますが

コンパクトになればなるほど

今度は安定感が損なわれてしまうため

どっちつかずでなかなか悩ましい問題です🤔

 

 

 

あとはご高齢の利用者に使い方を説明する際

・歩行器の枠内に体を入れて…

・もしくは体を歩行器に近づけて…

と説明するのですが

なかなかそこを理解してもらえず

実際の利用時には体と歩行器が離れてしまい

転倒しやすい危うい歩行状況に

なってしまうこともよくありますガーン

 

 

 

そのような方には

馬蹄部前方にグリップのついたタイプを

よく選定します

ここを握ってくださいと誘導すれば

自然に体が歩行器に近づいてくれるので

正しい使い方につなげやすいです

 

 ↑グリップを握る事で体を歩行器に常に近づけて歩行できる

 



【苦い思い出話】

極度の円背(背骨が曲がっている)利用者さんに

馬蹄型歩行器を導入することになった

実際のわたしの経験談です



 

本人は背筋があまり伸びないので

体を歩行器に近づけることが

どうしてもできません




そこで私が選定したのは


・可能な範囲で背筋を伸ばして

 できるだけ歩行器に体を近づける

・そして前のめりに転倒しないよう

 抵抗器付きタイプ

・あとしっかり歩行器の前方まで腕が届くよう

 前方にグリップがついているタイプ


 

という感じで

その人にそれなりに合うように

選定したつもりだったのですが…



 

同席していたセラピストの方が

「何が何でも背筋をピンと伸ばして歩くべき!」

と強く主張され



本人も

「先生の言う事だから聞かなきゃ」

と無理やり背筋を伸ばして

無理して歩行していました

 


しかし

あまりに無茶な姿勢を

強要されてしまったため

後日あらためて訪問した際に


「歩行器を使いたくない」


と言い出してしまった

 



セラピストの方の言い分も

もちろんわかるのですが

在宅での生活はリハ室とは違います

 



リハ室で頑張って出来るから

それを在宅でも毎日四六時中やれるはずだ!

はあまりにも過酷すぎる

 



在宅に過度のリハビリ要素を持ち込むのはよくない!

ということを身に染みて感じた瞬間でした

 

 

 

普段の生活に関わる動作は

リラックスして過ごしたいですよね。。。


 

 

 

ちなみに

最適な歩行器選定のお手伝いをするのは

私たち福祉用具専門相談員の仕事です

地域の福祉用具専門相談員に

遠慮なく相談していただければ

きっとより適合した機種選定を

行ってくれると思います!


 

ではでは。