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第二章 母の日常生活
「わたしを、どーするつもりや!!」母の日常、その(38)
2005/10/17(月) 午後 1:23
某月某日 さあー、姉宅へ向けて出発。介護タクシーの車中で車椅子に乗り不安を口に出す母。
「にいちゃん、おろしてやー!」
「心配せんでも、え~んやで~、お姉ちゃんとこ行くんやから~」
「おね~ちゃんて、だれやー?」
「お袋ちゃんの子供やんか~?」
「しらん、いけへん、おろしんかいなー!、アホやおもてんねんやろっー!」
「すぐ、着きますからね~」と、運転手も気遣ってくれる。
「あんた、だれやっ!」その運転手に向かって、母が一喝。
「この車、運転してくれてはる人やで~」
「こわいぃ~、にいちゃん、ガタンガタンゆ~てるぅ、きぶん、わるいー!」
「ご免なさいね~、もうすぐ、着きますからね~」とヘルパー免許を持った運転手さんが気遣う。
「そうやで~、お袋ちゃん、直ぐに、着くからな~、ちょっとだけ、辛抱してな~」姉の家まで、小一時間はかかる。母の不安は治まらない。運転手さんと、私と二人で、母をなだめながらのドライブとなった。
午後5時に自宅を出て、6時過ぎにようやく、姉の家に到着した。二世帯住宅になった姉の家は一回り大きく見えた。とっぷり日が暮れていたので、玄関前に並んでいる人影が誰だかよく分からない。
「00婆~ちゃ~ん」と、母のひ孫の声が聞こえた。小学校3年の00(女の子)と2年の00(男の子)だ。その横に、姉と孫の00も迎えに出てきてくれていた。
「遅かったなー!、ず~と、みんなで、待ってたんやでぇ!」と姉。
「うん、ちょっと道、間違えて行き過ぎてん」と私。介護タクシーのハッチバックが上げられ、車椅子に乗っていた母がゆっくり降りて来た。
「なんやのん、わたしを、どーするつもりや!!、」到着した、母の第一声だ。
ト書き:二世帯住宅になった姉宅は、以前より、一回りくらい大きくなって、洋風と和風を一体にしたような感じで、姉のセンスの良さを、存分に発揮していた。