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                   第二章 母の日常生活

                 

 

 

  

 

    

  

  

      「はよ、かえらしてゆーてんねん!!」母の日常、その(16)


 某月某日 デイでの母の様子は連絡帳である程度わかる。が、詳細までは、ヘルパーさんに「今日はご機嫌でしたよー」、「今日は、ちょっと、おかんむりでした」等、の声を聞かなければ分からない。しかし、この一声が,私には有難い。送迎バスから降りてきた母、ちょっと、何時もと様子が違う。

「お帰り、お袋ちゃん、さあ、帰ろうか?」

「あの~、00さん、今日ちょっと便がね、何か、変わったことなかったですか、食事や水分は取っておられますか?」と、ヘルパーさんに聞かれた。

「なにしてんのん、はよかえるぅ」このやり取りを聞きつけて、母はおかんむり。

「ちょっと、下痢してまして、夕べ薬飲みましたから、もう大丈夫やと思います、朝も完食しましたし」

「そうですか、睡眠はどうですか?」

「はい、昨晩は徘徊も少なかったし、寝てるほうです」

「分かりました、変わったことがありましたら、教えてください、失礼します、00さん、バイバーイまた明日ね!」

「なにゆーてんのん、しらん!」

「どうしたんや、お袋ちゃん、何んか、あったんか?」

「はよ、つれていって、かえるから!」

「うん、帰ろ~な!」

「なにや、ぶつぶつぶつぶつ、、、」と、母は不機嫌そうだ。
何か可笑しい、機嫌が悪い。あれこれ、声をかけても、殆ど聞いていない。何時もの座椅子に座らせ、おやつを出そうと、声をかけると。

「そんなもん、いらん、はよ、うちかえらしてゆーてんねん!!」
母の気が静まるまで、少し時間を置いた方が良い。私は、母に一声かけて、洗濯物を取り入れにベランダへ逃げた。

 

 

 

ト書き:不機嫌な時は、チラミしながら、母を、遠くから、見守るのが、最善の策だと、私は、自分なりの介護術を、あみだしたのだ。