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第八章 「介護してる、は不遜」
「へーっ、あんたー、わからんのん?、どこみてんねん?」不遜、その(2)
2006/12/8(金) 午後 0:22
某月某日 夕食後、母が居眠りをし始めたので、私は洗濯物を取り入れに、ベランダへ出た。母は音に敏感なので、そ~っとやらなければならない。取り込み終えた頃、一服しようと、ベランダに置いてある椅子に座りタバコをくわえた。感の鋭い母が気づき。
「にいちゃ~ん、なにしてんのん?」と、私を呼ぶ。
「うん、これこれ、タバコなあ、吸うてんねん、ちょっと、吸わしてな~」
「あいよ~、かめへんよ~」と、ご機嫌なご返事。ほんの1分も経たないうちに。
「にいちゃ~ん、にいちゃ~ん」と。
「此処やで、お袋ちゃん、ここや~」と、私は、ベランダのガラス戸越しに顔を出した。
「なんや~、そんなとこか~、なにしてんのんや?」
「うん、タバコ吸うてんねん、直ぐ終わるからね~」
「たばこか~?、え~よう、すぅ~とき!」と、また、一本吸い終えかけた頃。
「にいちゃ~ん、にいちゃ~ん、どこや~?」と、母がきょろきょろしながら、私を呼ぶ。
「此処やで~、タバコ吸うたからね~、もう直ぐ、そっち行くからなあ」吸い殻を捨て、私は、リビングへ戻った。
「これみんかいな、ゆ~てんのに、なにしとったん?」と、母がテレビを指さす。
「どれや?、お袋ちゃん、何見とったんや?」
「へーっ!、あんたー、わからんのん、どこみてんねん?」(母は時空を超えるのだ)。
「はい、画面が次々変わるもんで、お袋ちゃんが、何見とったんか、サッパリや」と、私がボソット呟く。この後、母が「もう、ねむたいねんけどな~」と、言うまで一緒にテレビを見ながら解説をした。
ト書き:何事も、母にすれば、全て、遠い、過去の出来事なのだ。
