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第二章 母の日常



      「うんだか~?、うんだおぼえないけどな~!」母の日常、その(35) 

   2005/10/11(火) 午後 0:25
 某月某日 母との会話時間を出来るだけ増やすようにしている。母の世界に入り込むことが出来ると、上手くいくことが多いからだ。その為には、何でも良いから話をすることだ。

「かえろ~かー?な~っ」と母が何気なく呟く。

「うん、、、、どうしたん?」私は少しオーバーに母に聞く。

「もう、かえらなっ、な~?」と、当然の事のように母が私に言う。

「お袋ちゃんの家ここやんかー、どこへ、帰るん?」さりげなく、静かに答える。

「わたしのイナカや~」

「お袋ちゃんの田舎遠いからな~、明日、学校(デイ施設のこと)やし、今日はここに泊まろ~や」

「あんた、とまりぃー、わてかえるからー!」

「僕、一人置いて行くん?」と、母の目を覗き込む。

「あんたは、ここのひとやから、おったらえ~ねん、わたしかえるから!」母は、本当に立ち上がろうとした。

「ちょっと待って、お袋ちゃん、もう遅いし、自分の息子置いて行くんかー?」

「むすこーっ!、だれがーっ!」

「僕やんか?、お袋ちゃんが産んだ、子供やで~」

「うんだか~っ、うんだおぼえないけどな~!」この押し問答も、母との大事な会話である。ゆっくりと時間を気にせずにだ。



ト書き:マンションは、母の家ではないし、私を、産んだ、記憶もないし、認知症、摩訶不思議な、病だった。