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サッカー小説「蹴り屋」



      
第一章 場当たり的、その場しのぎ、手探りの介護



 「だれかが、もっていったんちゃうか~」入れ歯,その(3)


   2005/4/15(金) 午後 3:01
 某月某日 過去二度も油断したため、母の入れ歯には十二分に注意していた。しかし、それにも限界があると言うことと「人間(またまた失礼、私だけです)て阿呆やな~」と、何度も教わることになった。母がデイから帰って来るのを待っていた。デイケアの送迎車から。

「あーっにいちゃんやっ!」と、笑顔でご機嫌よく帰ってきた母。その笑顔が何時もと少し違うような気がした。私は、もしや、と思い、送迎車のドアを開けているヘルパーさんに。

「すいません、母が入れ歯をしてないようなんですけど~」

「え~えっ、今日は00さん、デイに来られたときから、下の入れ歯をハズしておられたんで、おかしいな~と思ってたんですよ!」とヘルパーさん。

「お袋ちゃん、い~んしてみぃ」

「なんやの!、にいちゃん」感の鋭い母が、警戒の表情を見せる。

「下の入れ歯、どうしたん?無いでぇ」

「い~ん、ないかーっ」と、気にも留めない。言わずもがな、1年も経たないうちに、母の下の入れ歯は、私の度重なる油断で、三個紛失したのである。私は、ダメモトで。

「お袋ちゃん、入れ歯、どこに置いたか分かれへんかな~?」

「しらんで~」

「何処な~、探してもないねん」(俺はほんまに阿呆やな~)私の心境だ。

「だれかが、もっていったんちゃうか~」(うん、そうやろな~、お袋ちゃんの言う通りや誰かが持って行ったんやろ~、私は心の中でそう思った)。

かくして、母の入れ歯は現在、上が三個、下が0個となりました。決して母のせいではないのだ。



ト書き:そもそも、認知症の母に、入れ歯が、どうのこうの、と、言うのが、間違いで、管理の責任は、私にあるのだったのだ。