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認知症介護記「かいごさぶらい」のブログ。-かいごさぶらい上巻 

「かいごさぶらい上巻の続き、下巻。

  第五章 「認知症と闘う」母、その(8)


「しんどいねん、ここでねるんかー!?」認知症と闘う母、その(8)


2006/6/14(水) 午後 0:25
 某月某日 昨晩、母は、三回ほど徘徊した。週半ばになると、デイでの気疲れから、疲れが出てくる。最近の徘徊はその疲れから来ていると、私は、思っている(もちろん、認知症の不安感もある)。

「お袋ちゃ~ん、どうや、もう、起きませんか~」寝不足は承知だが、母の生活リズムをなるべく乱したくない。

「しんどいねん」(ごもっとも)。

「あかんか~」と、私。かく言う私も寝不足なのだが。

「あかんわ~」と、母が仰る。(親子して、よたよたの朝を迎えたのだ)。

「ほな、もうちょっと寝ときますか~」

「うん、もうちょっと」私は、母の和室のカーテンを半分だけ開けた。

「なにすんのん、さぶいやんかー」

「大丈夫やでえ、え~天気でな、今日は、暑いくらいやからなっ」

「ふ~ん」

「もう、9時やでえ、学校(デイ施設)やからな、迎えにきはんで~」

「しらん!、しんどいねん!」

「学校で寝てたらえ~やんか、なあ、あかんか~」と、言うと。

「あかんわー、あほかーっ!」(うん、お袋ちゃん、それは、充分に分かるよう)。

「まっ、ギリギリまで、様子みなしゃや~ない」と私は思った。と、寝床で気持ち良さそうにしている母が。

「にいちゃ~ん、なにしてるんやー!」と、何にやかや、と話かけてくる。私は、母の枕元に座りながら。

「ほら~、そんな元気やったら起きなあかんやんかあ」と言いながら、母としばし、とりとめのない会話。

「そうや~、な~お袋ちゃん、顔、洗うてから、ゆっくり寝たらえ~ねん、学校休もう」とか何とか言って、母を起こすのに成功した。今日は、私は午前10時半にどうしても行かなければならない仕事があった。もちろん、そんなことは、母には関係がない。

「ここでねるのんか~!」

「ちゃう、ちゃう、ここはな~、顔をな~、洗うとこやねんで」

「にいちゃん、おしっこでたー!」

「はいはい、行こうか~」と、おトイレへ。用を済ませ、パンツを履き替えてそのまま、リビングの何時もの母の座椅子に座らせた。時間がないので、ヨーグルトと、小割にしたカステラパンを出し、母に食べさせた。

「しんどいねん、ここでねるんかー!」と、好物のヨーグルトを食べながら、母が聞く。時計は既に、午前9時前。9時10分過ぎにはデイの送迎バスがやって来る。

「学校のベットで、寝かせてもらお~なあ」と、母に言う。お便り帳、手ぬぐい、薬、腰痛バンド、履くパンツ、水筒等母のカバンに詰め込み、何とか送迎バスに母を乗せることが出来た。

「お袋ちゃん、嘘ついてかんにんな~」と、母を見送った。(お袋ちゃん、バカ息子のために、しんどいのに、頑張って学校行ってくれてる)。



ト書き:誰のためでもない、デイへ通う母は、このバカ息子の・・・だったのだ。施設で、母は、気づかれしていたのだ。