第四章 「家族だから」家族、その(15)
「あんた、なんで、ここでねてんのん?、じぶんとこ、いきんかいなっ!」家族、その(15)
2006/5/17(水) 午後 0:30
某月某日 GWに、姉宅へ小旅行した後遺症が続いているようだ。夜中の徘徊が増えた。天気が落ち着かないせいもあるのか、この日の夜も。
「おば~さーん、おば~さーん」と母が四つん這いになって、徘徊を始めた。
「どうした~、寝られへんのんか」リビングの廊下から玄関の暗がりの方へ、うろうろする母。
「ねかせてえ、どこや~」
「はい、こっちやで~」と私は、母を自室の寝床へ連れ戻す。午前1時ごろか。
「さぶいねん、さぶいゆ~てんねん!」と、母の声が不安そうに聞こえる。表情が消えていく。
「はい、はい、かぶしたるから、これで、大丈夫やで、ゆっくり寝~や」しばらくして、午前2時ごろ。似たような徘徊。そして、また。
「おか~さん、おか~さーん、ねかせて~、ねかせて~」と、母が徘徊。午前3時前ごろか。
「どうしたん?今日は、何んか、夢でも見たんかいな、誰か来るんか~」(時折、母をストーカーする輩がくるのだ)。
「ちゃう!、ねかせてーっ!、どこでねたらえ~のん?」母も眠くて、疲れているのだ。(あかん、お袋ちゃん、不安になっとる)。
「先に、おトイレ行っとくか」私は、母をおトイレへ、済ませて、自室の寝床へ。午前4時を過ぎた。私は「お袋ちゃん、不安に負けたらあかんで~」と念じる。
「おか~さーん、おか~さーん、ねかせて~、ねかせてーっ!」と、また、また母が。
「へんな夢見たんか~、ここで、寝るか~」と、私の寝床へ母を招き入れることにした。
「うん、にいちゃんとこで、ねかせて~」朝の陽射しが、カーテン越しに、射し込み始めた。時計を見ると午前5時半ごろだ。
「あんた、なんで、ここでねてんのん?、じぶんとこ、いきんかいなっ!」と、母が、同じ布団の隣で寝ている私に仰る。
「えーっ!」と、私は思わず母の顔を覗き込んだ。母が何時もの表情に戻っていた。
母を私の布団に寝かせ、私は母の布団で寝ることに。この日は、ほぼ、1時間おきの徘徊であった。(お袋ちゃん、今日も勝ったんやな~、良かった~)。
ト書き:不安感と闘いながら、自分探しを・・・が「徘徊」だ。「認知症」切なく、悲しい、病だった。傍に居ながら、どうにも、出来なかった、私は、自分自身に、腹が立って、しようがなかったのだ。