「わて、し(死)んだんか~?な~!」親子だから、その(33)
「わて、し(死)んだんか~?な~!」親子だから、その(33)
2005/12/26(月) 午前 11:23
某月某日 認知症の介護は、毎日が臨機応変の対応を迫られる。今朝の母は、私にまた、新しい経験をさせてくれた。午前8時前。そろそろ、母を起こさないと。デイに間に合わなくなる。
「お袋ちゃ~ん、お袋ちゃ~ん、もう、起きようか?」母に、いつものように声をかけた。リビングで私が動き回っている物音で、既に起きているはずなのだが。
「わて、し(死)んだんか~?、な~」母が私を見てポツリと。
「何ゆ~てるん、あほかいな~、生きてるで~」
「し(死)んでんのんちゃうか~?」
「死んでない!、ほら、僕の手触ってみぃ!」
「つめたいやんかー?あほー」
「なーっ!大丈夫やろ~、さあー、あほなこと言う~てんで~、起きましょうか~」
「ねかせて~、わてし(死)んでんるかもしれんから?」
「死んでないやん、ほら、なっ!」母の両手を私は、包み込んだ。
「つめたい!、あほっ、つめたいやんかー」と、母は私の手を激しく振り払い、素早く私の頭をどつき始めた。
「痛いっ!痛い、何するん、もう~」(ちゃんと生きてるよ)。
「ねかせて~、しんどいねん?」
「分かった、わかった、今日な~、ゴミの日やから、ちょっとゴミ出しに、行ってくるからな~」
「うん、、、」
「ほな、行ってくるよ~」と、私は、母に一声かけて、急いでゴミ袋を結び、何時ものようにダッシュでゴミ置き場へ。往復すること約2分半。
戻ってみると、いつもなら、自分で布団から這い出してくるはずの母がまだ、寝ている。
「おかしいな~、お袋ちゃん、今日はどないしたんやろ~?ほんまにどこか、具合悪いんちゃうやろな~?」と、気がかりになり。
「お袋ちゃん、お袋ちゃん、大丈夫か~?、どこか具合悪ないか~?」
「わて、し(死)んだんか~?、な~?」と、似たようなやり取りがまた始まった。気がついたら、午前8時半を回っている。9時過ぎには、デイの送迎車がやって来る。
「う~ん、こんなん、今までなかったけど、まあ~、しゃ~ない、起きるまで、お袋ちゃんと、遊んでよ~か~」と、腹を決めた。
ト書き:何を、優先し、今、何をすればよいか。母の、傍にいて、話し相手になることだった。社会常識と、母の「病」を、上手く、融合させる、ことが、出来るほどの、知恵も才覚も、私には、なかったのだ。