第八章(最終章) 「介護してる、は不遜」、その(10)
「は~っ?、あほかー!、みんな、これすんのん、まったはんねんでー!」不遜、その(10)
2006/12/20(水) 午前 11:44
某月某日 母のお仕事は「リハビリにもなってるんかな~」と、最近は、思うようになった。(以前は、不安感の解消だけだと思っていたのだが)。
「お袋ちゃ~ん、もう、寝ましょうか~」
「うん、、、」母は一生懸命、ティッシュペーパーを、一枚一枚箱から取り出して丁寧に折り畳んで、積み重ねて行く、お仕事に夢中だ。
「なあ、な~、お袋ちゃん、もう、10時(午後)回ってるよう、寝たほうが、え~んちゃうか~」めっきり衰弱してきた母だ。これ以上、無理をさせては。
「これせなあかんやんかー!」
「分かってるけどなぁ、明日にしたらぁ」何度か声をかけるが。
「んん、、、」私の声など、母の眼中にはない。もう1時間以上になる。
「そんな、根詰めたら、疲れるでぇ、もう、その辺で止めとこな~」
「は~っ?、あほかー!、みんな、これすんのん、まったはんねんでー!」はい、そうでした。
誰が何を待っているのかは、母にはちゃ~んと、分かっているのだ。(お袋ちゃん、やったら倒れるまでやるやろな~、僕とは生きる覚悟が違うわ)と、母の仕事をみながら、私は思った。
「んん、、、」と、感心する私。
「まあ、お袋ちゃんが、眠とうなるまでしゃ~ないかなぁ~」諦めて、私は母が作ったティシュ饅頭の整理を手伝うことにした。
「にいちゃん、これもやで~」と、母が嬉しそうに言う。
「分かった~」と、親子で夜更かしだ。