某月某日 この一週間ほど、松本清張氏の文庫本作品を読み返していた。何度も何度も読んだ本である。が、内容は、その都度忘れてしまっている。


「点と線」友人に勧められて、同氏の作品を初めて読んだ本だ。頭が悪いので、時刻表のトリックの意味が分かるまで、何度も読み返した。


「或る、小倉日記、伝」これも難解で、今回読み返しても、未だに、この作品の「意」を理解しきっていない(あ~情けな~)。


「眼の壁」これを読んで、同氏が社会派推理小説家だと、分かった。


「張込み」これは面白かった。(人間の表裏を感じるわ~)。


「馬を売る女」高校時代、大阪から別府へ転校し、中津市の地方競馬、中津競馬場へ単車でよく通った。馬券を買ったかどうかは内緒だ。名馬シンザンを知った。


「けもの道」同氏の真価が発揮された、社会の闇の権力構造に切り込んだ作品と、解釈しているのだが。


「黒の様式」短編集で、歯止め、犯罪広告、微笑みの儀式の三篇が収められている。「古拙の笑い」とする、表現があり「ヤットウー」をやっている自分が重なった。古流剣術は「古拙の技」とも言われているのだ。早く言えば、何の役にも立たない「古武道」だ。


「砂の器」映画にもなった。地位も名誉も、金も、、、。


「ゼロの焦点」これも映画化された作品。


「野盗伝奇」同氏の作品で、初めて時代劇(戦国時代)を読んだ。同氏の筆力と慧眼に、、、。が、私が師匠から伝え聞いた戦国時代の「ヤットウー」とは異なった。


「小説東京帝国大学」最高学府の裏の側面をえぐる、同氏の本領発揮の作品。


「わるいやつら」どの時代でも、、、。


「真贋の森」黒地の絵に収められた、短編集の1篇。某老舗有名デパートで、実際に「骨董品の贋作」が大量に売られた事件があった。(どうやって、調べはったんかな~)。


「地の骨」いま、読んでいるところだ。病院経営を巡る「闇」だ。今でも、充分に通用するところがあり、参考になる。(某週刊誌に「医療、介護は金次第」とするタイトルのコラムがあった)。


母が寝たきりになり、病院を転々としていた時、母のベットの傍らで、これらの、同氏の作品を読んでいたのだ。で、無性に同氏の「本」を読みたくなった。


同氏の作品を読む都度、


「怪物やな~、清張さんわ、こんなんやったんか~」と、思うのだ。同時に「物書き」の執念にも魅せられた。まだ、何冊か残っている。


「お袋ちゃんが夢枕に立ったら、読もうかな~」