昨年の夏に母がホームへ入所した。
ほとんど強制的に連れて行った。
あれから半年が過ぎなんとなくホームで過ごせている。
最初の頃は帰りたい一心で勝手にホームを抜け出したり、私の名前を叫んで探し回ったり・・・
色々と迷惑をかけていたようだ。
入所より3か月が過ぎたころあたりで1度会いに行ったが機嫌の悪い日で会えなかったこともある。
今年に入って1月半ばに会いに行ったときは普通に会えた・・・
とても喜んでくれて・・・・・嬉しかった。
ただ、娘だって感覚は乏しくなっていた。
「遠いところからよく来てくれた・・・」と・・・
どうも田舎から会いに来たと思っているようだった。
認知症の場合、否定したらいけないので母に合わせて話をする。
ホームへ入所をすると能力が今までより落ちるのは覚悟していた。
もちろん判らなくなったことやできなくなったことばかりではないけど・・・
記憶に関することはやっぱり乏しくなっているようだった。
2月は大雪の影響があり行けなかったが3月に再び会いに行った。
顔を見れば身内であることはわかるようだが・・・・
ホームの職員さんが「誰が来てくれたの?」と問いかけると「親戚の子」と答えた。
ある程度は覚悟していたが・・・「私に子供はいないのよ」そう続いた言葉に鼻の奥が‘ツン‘とした。
もう娘だとは思えていないらしい。
それでも「よく来てくれた」と喜んでくれたので2時間弱ほど一緒に過ごしてきた。
今思うと母が亡くなることより悲しい気がする。
親なので当然自分よりは早く「死」を迎えるだろう。
私もある程度の年齢に達しているので悲しいながらも「死」は受け入れていけるだろうとも思っている。
「死」は生き物全てに等しく与えられたモノ・・・
いずれ母が亡くなるという悲しみよりも、母の中で私が娘でなくなってしまったことのほうが悲しい。
今のところ体は丈夫。
まだ長生きできるだろう。
どんどんと母の頭の中から零れ落ちていく記憶・・・
どうか私と過ごした記憶が最後まで一つでも残ってくれますように。
