未経験45歳からの山あり谷あり介護施設勤務日記

未経験45歳からの山あり谷あり介護施設勤務日記

45歳で長年勤めてきた職をやめました。そこから初任者研修を取り、介護業界へ。いろんな介護施設を見てきたので、過去を振り返りつつ、現在のことも述べていこうと思います。

新しく介護の門を叩く一人の職員にとって、最初の現場がどのような仕組みで動いているかを知ることは、適応への一助となります。

 

従来型の特別養護老人ホーム(特養)と、グループホーム(GH)の構造的な違いを、いくつかの視点から整理します。

専門職の配置と業務の境界線

特養には日中、看護師が常駐しています。バイタルチェックから薬の管理、処置までを看護職が担うため、介護職は「介助」に専念する構造です。

一方でグループホームは、原則として看護師の常駐義務がありません。薬のセット(日付や配薬箱への仕分け)や日常的な処置も、介護職員の手によって行われます。専門職の不在を、職員一人ひとりの多角的な視点で補うことが求められる現場です。

業務の分業と包括

特養は大規模ゆえに、業務が細分化されています。調理、洗濯、清掃、ベッドメイキングなど、それぞれの専門スタッフやパート職員が配置されていることが多いです。

対するグループホームは、生活の場を「家庭」に近づけるという理念から、分業がなされていません。調理、洗濯、寝具の管理まで、すべてをユニット内の職員が行います。これは業務負担という側面もあれば、入居者と共に家事を行うという「生活リハビリ」の側面も持っています。

夜間の運営体制

特養では複数名の職員で夜勤にあたり、交代で仮眠をとる体制が基本です。 グループホームは、1ユニット(最大9名)を1人で担当する「ワンオペ夜勤」が一般的です。夜勤中の1時間は名目上の休憩時間ですが、徘徊や転倒リスクへの即時対応が必要なため、常に神経を研ぎ澄ませておく必要があります。「休憩」と「労働」が未分化な状態で共存しているのが、この構造の特徴です。

心理的安全性を左右する組織構造

どのような施設にも、周囲のメンタルを削る言動をとる職員が、稀に存在します。しかし、それは個人の性格以上に、職場の「余裕のなさ」や「教育システムの欠如」が引き起こしている現象かもしれません。

例えば、以下のような状況が見られる職場は、組織としての健全性が保たれている一つの目安になります。

  • 事故報告書の扱い 単に「書かせる」のではなく、再発防止のためにどう記述すべきかを、時間をかけて対話している。失敗を個人の資質に帰結させない姿勢です。

  • 情報の共有と継承 新人の進捗状況をチームで把握している職場では、「なぜやっていないのか」という個人の不備を責める言葉は出にくくなります。代わりに「どこまで進んでいるか」を確認する対話が生まれます。

  • 記録入力の指導 介護記録の入力方法を、納得いくまで繰り返し伝える仕組みがあるかどうか。「一度教えたはず」という言葉で終わらせない根気強さは、チーム全体の質を守る意識の表れです。

最後に

グループホームは特養に比べ、時間の流れが緩やかだと言われます。入居者と一緒に野菜を切ったり、洗濯物を畳んだりする時間は、効率を重視する現場では得がたい「親密なケア」の時間です。

給与体系や責任の重さ、そして人間関係など、陽の面もあれば陰の面もあります。まずはその構造を俯瞰することから、新しい日常が始まります。