編集:株式会社スターコンサルティンググループ
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どこで「最期」を迎えたいですか?
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こんにちは。
介護経営コンサルタントの伊谷俊宜です。
「人は必ず死を迎える」
人間にとって、最も関心があり、
最も避けたい命題かもしれません。
個人的には、昨年末のキャリーフィッシャーさんの死は衝撃でした。
待ちに待ったスターウォーズ新三部作の第1作目がようやく公開され、
第2作の公開が待ち遠しい中での訃報に言葉を失ったのを覚えています。
こういう時、如何に自分が「人は必ず死ぬ」ということを
「自分事として」捉えていないことを痛感します。
生きていることが当たり前という感覚を持ってしまいがちですが、
様々な「偶然」が積み重なり、「生きている」のであって、
「少し」歯車が狂うことで、人は呆気なく死んでしまう。
こういった認識を日常の中では、ついつい忘れてしまいがちです。
高齢者介護の仕事をして、人の死が身近であるにも関わらず。
「自分の最期をどこで迎えるか」
こちらもいろんな方からお話を伺います。
時代による意識の違いも大きいですよね。
日本の戦国期であれば、戦場で華々しく討ち死にしたい!
という方も多かったかもしれませんが、
平和な現在では、約6割の方が自宅で最期を迎えたいと考えています。
では、実際に日本人の多くの方々は、
どこで最期を迎えるのでしょうか?
実際には、下図のように日本人の約8割が病院で最期を迎えています。
諸外国と比較して、如何に日本の場合、
病院で亡くなる方が多いか分かります。
なぜ、病院でなくなる方が多いのか?
言うまでもなく、病院の代わりとなる「最期の場所」が
整備されていないからですよね。
特養での看取り率は、72.9%となっています。
この数字をどう捉えるか。
「高い」と感じるか「低い」と感じるかは
個々で違うでしょうが、一つ確実に言えるのは、
『最期を迎える場所』を真剣に考える必要があるということです。
現在最も多くの看取りを行っている病院ですが、
国は今後政策的に、病床の数を減らしていきます。
必然的に、看取り件数は減るか、横ばいでしょう。
そうはいっても、自宅での看取りが激増するとも考えにくい。
(熱心に在宅診療を行う医師の数は増えてはきていますが)
つまりは、介護三施設(特養、老健、療養)のみならず、
特定施設(介護付きなど)、サ高住、住宅型などの
入居施設には、間違いなく『看取り』の機能が求められるということです。
よく「うちは看護師がいないから看取りが出来ない」といった言葉を耳にします。
終末期の方に対して、看護師にしか出来ないことって何でしょう?
もちろん色々ありますが、入居施設において、
看護師のみの裁量で出来ることは限られているのではないでしょうか。
在宅診療医と連携が出来ていれば、
必ずしも施設自体に看護師が常駐する必要はないでしょう。
介護施設の看取りで重要なことは、
「本人の意志を確認する」
ということです。
本人の意志が確認できない場合は、家族となりますが、
可能な限り、最期を見据えて意志を確認するべきです。
※尊厳死の宣言書などを整備するのも有効ですね。
日本人が病院で亡くなることが多い原因の一つに、
「本人の意志を確認しないままの救急搬送」が挙げられます。
<終末期の方に対し>
□救急搬送をしない
□救急搬送する
終末期であれば、救急搬送はしないが原則になるはずです。
もちろん例外もあるでしょう。
こういった具体的な内容を本人、家族、医師、施設スタッフ間で
徹底的に協議し、事前に共有しておくことが重要です。
終末期に関してのインフォームドコンセントを
本人、家族、医師、施設の4者で共有するということですね。
例えば、末期がんの方の場合、
末期がんを原因とする体調変化の場合は救急搬送せず、
それ以外の急な疾患の場合は救急搬送をおこなう
といった形でしょうか。
もちろん個々で違います。
実現するには、介護職も医師・看護師とある程度には話せるくらいの
医療的な知識が必要です。
逆に言えば、
「介護職に医療的な知識があれば、看取りケアは可能」
これを難しいと思うか否かは、皆さん次第です。
「それが出来れば苦労しないよ!」というような
声も聞こえてきそうですが。。。
しかしながら、今後、間違いなく介護保険給付は要介護3以上に絞られ、
入居施設も要介護3以上の方がメインターゲットにならざるを得ないでしょう。
必然的に看取りの課題は付きまといます。
看取りが出来ない入居施設は、それ以上の付加価値をつけないと、
なかなか入居促進は難しくなるでしょう。
介護保険事業においては、以下二つの考え方が必須になりつつあります。
◇介護予防
◇終末期ケア
介護予防に関しては、デイケアやデイサービスなど数多な施設が取り組んでいます。
終末期ケアも、もちろん多くの施設が素晴らしい取り組みをしています。
しかしながら、正直申し上げて、介護予防の充実と比較して、
終末期ケアは、まだそれほど盛んに取り組まれていないと感じます。
かなり不均等ではないでしょうか。
「自分はどこで最期を迎えたいか」
こういった視点を持ちつつ、介護施設での看取りを
加速させる必要があるでしょう。
また、別の機会で具体的な方法に触れたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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【発行責任者】
株式会社スターコンサルティンググループ
経営コンサルタント 伊谷俊宜(いたにとしのり)
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機に「高齢や障害を理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。介護保険施行前より運営トップとして、数々の特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。その後、大手介護事業者に入社し、介護付有料老人ホームやサ高住の立ち上げ、運営、新人管理職の育成に携わる。
現在では、圧倒的な現場力で、高齢者住宅、デイサービスセンターなど「人気の施設づくり」を積極的にサポートしている。講演・執筆も多数。
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