糖尿病患者は、毎食前に血糖値を測定する。
他の人はどうか知らないが、
父は糖尿病を発症してほぼ40年以上、
毎日血糖値を測り、腹部にインシュリンを打っていた。
ところが左半身が動かなくなったので、それが出来なくなった。
結果、大田区の下丸子に住んでいた私が平塚へ引き返し、
毎日の血糖値測定やら食事やらを担当することになった。
だが在宅勤務をしているので、
どうしても食事の支度が10分ほど遅れてしまうことがある。
そういう時、父は自分のことが優先されないことに対しての憤りからか
すさまじい攻撃性を見せる。
今どきの言い方でいうと
「マウントをとりたがる」というのだろうか。
曰く
「10分遅れるなんて考えられないバカだ」
「お前何しに実家に戻ってきたんだ」
「10分遅れるなんて許されると思うか」
全盛期のヴァンダレイ・シウバのラッシュや
近鉄バファローズの「いてまえ打線(1989年)」を
彷彿とさせる罵詈雑言の嵐が飛んでくる。
しかもそれをひたすら続けるのである。
食事一口のたびにといえばほぼ正確。
もぐ
「考えられねえバカだ」
もぐ
「10分遅れる奴なんかいないよ」
もぐ
「全く考えられねえ」
こんな具合である。
極端に語彙は貧しいが
北野武映画における
コノヤロウバカヤロウくらいの頻度
といえばわかりやすいか。
少し前は本気で言い返していた。
例をあげると
「てめえの為に生きてるわけじゃないんで」
「燃えるゴミで出しますが良いですか」
「文句があるなら老人ホームに行ってはいかがですか」
など、言葉でころすつもり丸出しだった。
なのだが。
言っても意味がないことに気づいた。
こちらが言い返すとひたすら無視をするのである。
なので、私の介護のスタンスとしては
ケアマネージャさんに電話をし、
「ショートステイ(お泊り)増やしてください」
とお願いするのみである。
といっても実際に泊まれるのは2ヶ月後なのだが。
介護疲れで本当に追い込まれる人は
全部「自分がやらなければ」と背負い込んでしまう
責任感の強い人だ。
介護をはじめてまだ半年にも満たない私が言うのもどうかと思うが
疲れたらなんとかして誰かと重荷を分け合うしかない。
我が家の場合は退院前からケアマネージャさんが担当してくださっているので
困ったときはたいてい相談している。
毎日続けなければならないことなので、
どこかに逃げ道を作っておくことは
絶対に必要だと思います。

