前回の続きで、介護業界のIT化について。
よく思い出すのが、教育業界のIT化が始まったときのことです。
正確な時期は忘れましたが、30年前くらいだったかもしれません。
小学校、中学校、高校などの教育現場にPCが導入され始め、
学校の先生方は、PCが使えなければならなくなりました。
結構な割合の先生方がそれについて行けず、
教員の大量退職があったのだと、聞いています。
教育業界のことはわからない私のしろうと考えですが、
たくさんの子どもたちと接し、経験を積み重ねるほどいい育成指導ができる、
ということなら、
古きよきノウハウを大切にし、新しい技術を取り入れることに慎重な先生方が、
「ついていけない」というセリフを残して退職されたのではないかと思います。
そのころ、私はITフリーランスとして駆け出しの時で、
とある小学校主催のPC講座の実施に行っていました。
週に1回のペースで、1か月ぐらい通っていたのですが、
担当がそこの熟年の男性教師でした。
彼が「私はコンピュータ技術をたくさん勉強した。だから仕事が続けられる」
と、自信たっぷりに仰っていたのをよく覚えています。
それは「学問としてのIT/PC技術」であり、
机上の理論、絵に描いた餅に等しく、
現場ではとても使えないものであったのですが、
そういう問題とは別に、彼は立派です。
PC/IT化が進む変革期の教育業界で、
生き残ることができているのですから。
今、教育業界はオンライン授業・プログラミング教育の必須化など、
新たな時代に入っています。
あの熟年教師も、もう現役を引退していることでしょう。