教育、医療の次に、
PC・IT業界の変遷も振り返ってみます。
私がIT企業に入社したころは、
まだITという言葉がなかったのでPCと言うことにしますが、
その頃PC業界はとてもとても地味でした。
ディスプレイはブラウン管。真っ黒な画面。そこにコマンドラインといって、
アルファベットの命令をキーボードから打ち出して、
システムやいろんな仕組みを作っていくのです。
今でこそもてはやされているPC技術者は、その頃「おタク」と言われていました。
ファッションセンスも社交性も明るさも、ないに等しく、
アルファベットの羅列であるPC専門用語を頻発したり、空気を読めない発言をしたりして、
「アイツはおタクだから」と言われて笑われるのです。
アキバ(秋葉原)も今でこそ華やかですが、
以前はPCや電気ショップ、ジャンク屋さんが立ち並ぶ「おタクのための街」で、
私は仕事で電気ショップに通ったのですが、お昼を食べるお店は、おタクのお兄さんやお父さんが喜びそうな
安さと分量で勝負するお肉系の食堂のようなところばかり、
たった一つ、ミスタードーナッツがあって、お昼はいつもそこ、、、
そんな感じでした。
そんなPC業界に、1995年、大革命がおこりました。
「これからはPC/ITの時代だ!」と声高に叫ばれ、
Windows95が発売され、誰もがPCを使う必要に迫られるようになり、
たくさんの人がこの業界に流れ込んでくるようになったのです。
影の存在だったPC技術者(おタクのお兄さん)たちは、
たくさんの人から「PCにすごく詳しいんですね!おしえてくだ~さい」
と言われるようになり、ファッションセンスや社交性のなさも、かえって愛されるようになりました。
変われば、変わるものですね。
「おタクの街」だったアキバも注目が集まりました。
空き地で駐車場に使われていた場所に、巨大なヨドバシカメラのビルが聳え立ち、
おしゃれなカフェやレストランがたくさんできて・・・
挙げているときりがありません。
この1995年・IT業界の変遷の渦中にいて、
業界が変わるということを、間近で見聞きしたことは、
私のその後の社会人生活に、大きな影響を与えたと思います。
どんなもの・ことでも、いつまでも同じではない。
変わるときは、変わるんです。
以前のものは、影も形もなくなってしまうんです。
全ては幻、なのかもしれません。
それで、最近つくづくと思うのですが、
今の介護業界が、
この、Windows95発売直後のIT業界と酷似しているのです。
超高齢化社会となり、「〇〇年後には3人に一人が高齢者」などと言われて
介護の必要性があらわになり、
たくさんの人が、なだれ込んでくるようになっているところがです。