キッチンカブの記事から
◆人は欲を捨てたところから新しい自分を発見する。
『人は銭に走ったところから銭を失う』という項目を書いたことがありますが、反面、『欲を捨てたところから新しい自分を発見する』ものです。ある意味、欲があるから、冷静な判断が出来ずに苦しむことが多く、自分では見えない欲に支配され、ドロドロとした欲望だらけの自分というものを出して投資行動をしている場合があります。そのような時には、きまって眼が落ち着いていないものです。やはり、欲に走ってしまった人は冷静にはなれず、本来の自分を見失う場合が殆どなのです。そのため、なんでも儲けるように思えたり、また、人がどうあっても自分本位になってしまい、人からどう見られているかなどまったく関係なしに、とにかく利益を出そうとして焦っていることがあります。すると、不思議なことに儲けというものは近付くことはなく、本人の欲望とは正反対にどんどん利益は逃げることになるのです。
買った株が、どうでもよい、つまり儲けられなくてもよい、と考えたら、途端にその株には興味がなくなるはずです。また、他人の株のことなどどうでもよいと考える神経を想像してみてください。まさに無心であり、どのような感情にも支配されない自分があるはずです。実は、そのような考え方が株式には必要です。つまり、欲に支配されないで、冷静に株が上がるのか、下がるのかという判断です。ところが、自分で買った株には損得が生じるため、儲けたらどうしよう、また損したらどうしよう、という考えが先たち、どうしても冷静になれずに自分のことに終始して、そこに感情が入ってしまい、その上で起るのが欲による判断ミスです。欲というものは儲けているときだけの欲ではありません。損してマイナスしているときも、少しでも損を少なくしようとする欲が働くのです。
その上で、買った場合には、上がるとさらに上がるという欲が始まり、下がると、もっと下がったらどうしようと考えることも欲にからんだ考えが生じてしまいます。リターンとリスクの中で、より冷静に自分をコントロールするためには、まず自分の金という意識を捨てて、その際に欲という概念を消すことです。つまり、器量を大きく持つことです。すべての欲を消すことが出来る人はいませんし、現実にどんな人でも欲が存在しますが、欲を抑えることは出来、欲の存在をあまり大きく意識しないということは出来ます。そのため、自分で買った銘柄については、上がったらどうなる下がったらどうなるという結論めいたもの、つまり金が増える、金が減るという要素の中であまり感情をいれないようにして、ひたすら冷静に株式行動を行うことが実は重要であります。
すると、場合によっては、上げても冷静になれたり、また、下げても、限度を冷静に見分けることが出来る自分を発見することがあります。これはすべて欲という存在を意識した上で、冷静になろうとして自分の感情にブレーキをかけるからです。そのため、人によっては、諦めだったり、また妥協だったり、また、無視することだったり、さらに最悪のことを考えて逆説的に物事を捕らえたり、処理方法は違っても、とにかく、銘柄の上げ下げに感情を持たせ、欲そのものを表面化して考えることの発想をただす必要があります。平常心を持って株式の売り買いをすることは、必ずプラス面が生れ、その上で、上がったときには限度を判断し、下げたときにも冷静に諦める場面を想定するようになります。必ず株式には成功と失敗があるわけですので、欲という存在にとらわれないで、冷静な判断をするようになると、上げて成功、下げて失敗という動きのメリハリがしっかりつくようになるわけです。
人の欲とは怖いもので、上がる銘柄はさらに上がる。と思うようになるのも、実際には冷静な判断より欲ボケとなった自分の能が狂い出す動きを意味します。常に自分の意識との格闘の中で株式行動は続きますが、表面上のいろいろな情報や株式の内外部要因よりも、実際には内なる敵との戦いが多く、殆どの方は、自分に負けて勝機を逸したり、また、自分の負けて損切りができないで滅んでいくという展開をしていくものです。誰もが宗教人のような達観を持つことはありませんが、少なくとも、株式で儲けるためには欲に支配されずに、欲をコントロールする必要はあります。そのため、つねに冷静に株式を儲けるための知的なゲームとして金勘定よりも、数値上のプラスマイナスゲームであるとの意識も必要となります。結果としてゲームに勝利することは利益を得ることになり、この知的ゲームには途中で欲の要素は必要ないものとなります。
欲があるから株をする、また、金が欲しいから株をする、それは正しいことですが、実際には株式運用とはむずかしいもので、欲張れば欲張るほど儲けが遠ざかっていくことを経験するはずです。その上で、欲があるから損切りが出来なくなり、また欲が強いから利食い売りもうまく進まないということを体験していきます。その上で、何度やっても、同じ失敗を繰り返す人も現実にはいます。何度やっても、同じミスという方は、基本的には欲に勝てない人、研究心が少ない人、いい加減な人が多いのですが、現実には損しても仕方ないとか、また損出来る範囲の余裕がある人ということになります。不思議なもので、人はその器量の範囲で借金をすることになります。それは金のない人は何億も借金が出来る信用がないからです。そのため、その器量の中で金をかり、その最大範囲で返せない苦労をするわけです。
人の数だけ、考え方があるわけですから、どうやって失敗するも、どうやってしこりを作るかも、その人次第ということになりますが、欲が絡んでくればくるほど、実際には損切り、利食い売りなどの判断がうまくいかないことが多く、そして、素直な気持ちになれず、その上でどんどん投資が間違った方向にいくことになります。現実に株式で悩みが生じるのは、株価が1割から3割の下げをみるときであり、それ以上下げた場合には悩みを通り越して、どうにもならないから持続しているだけ、塩漬けしたくないのに売れば損が大きいから持っているという状況になるのですが、これは最悪です。その前に対処しなければ株式運用はやる意味がありません。最近では長期ビジョンの投資も殆どが崩れていまい、IT投資に注目した人は、資金を10分の1にして、そして銘柄を塩漬けさせています。それでは金がいくらあっても足りません。
株式の価値は、日々変化しており、1年前1億円だった株が、今では300万円になってしまうというケースもあります。反対に300万円が1億円に化けるケースも希にありますが、基本的には株式で儲けるということは、大損するリスクも同じだけ背負うことになります。上がれば上がるほど銘柄がよく見えるときがあり、現実に上げているときは、いろいろと良い情報が流れるもので、ついつい売り場を逸してしまうことが多くあります。反対に下げると、情報はピッタリ途絶えるのですが、下げて駄目と思わない人は、下げると戻ると思ってそのまま放置してしまうのですが、下げたら人の心理はその株はさらに下げると思う人も多いため、結局、一度下降トレンド入りした株は下げ続けることが多いです。そのため、銘柄はあれこれ情報に惑わされるのではなく、下げたら逃げる。駄目と感じたときにすぐに売る必要があります。それが出来る人でないと実際に短期投資では儲けられるわけがないのです。
お金は増えると、いろいろと楽しいことが出来、裕福な生活も出来ます。人は金ばかりで生きているのではありませんが、それでもないよりあった方が良いに決まっています。その上で、欲ばかりの投資をするのではなく、真剣に資金が増えるためにはどうすればよいのか、それを考える必要があり、そのためには、一度欲というものから離れる必要があります。純粋に株式運用をすることです。それが出来る人と、出来ない人では、やはり後世において違いが生まれます。結局、破滅する人は時間が早いか、遅いかだけであり、途中儲けても結局、地獄が待っています。反対に、知恵がある人、研究心に燃えた人は、今が損であっても、やることが正しければいつか儲けることが出来ます。それは方法が正しいからです。その点では、重要なのは自分であり、他人ではありません。自分の器量に合わせて儲けがつき、そして自分の力が利益を生む世界であることを認識する必要があります。米国で株式で儲ける力がある人は尊敬される賢い存在とされます。日本では儲けた人は、羨ましい存在であってもけっして表面には出ません。それは株の儲けは不労所得であるとして忌み嫌う考えがあるからです。実際には株式は働く以上に知恵が必要なときがあります。
上がる株は徹底的に上がる、下がる株は必ず戻る。そのような自分の都合のよい動きになると予想したがる一般の方が多くいます。ところが現実の相場は思い通りにならず、考え方とのギャップが実損を拡大させていきます。売らなければ損でなく、持ち続けていればいいんだ、と考える人も多いのですが、実際には持っても、持ち続けても損は損と考える方がよいのです。欲張った人は、落ち着きがなく、自分を無失っています。それでいて眼だけがやけにきついのですがピントがボケているのです。欲ぼけした自分を覚ませるのは自分しかないため、殆どの人が大損して落胆して、失敗して始めて、自分に気づくケースがあります。
もっと、儲けよう、という気持ちは誰にでもあるものです。ところが、それが拡大解釈となり、もっと自分は当たる、と考えて、欲と現実の境目が分らなくなるともうどうにもなりません。どんどん破滅に向かって進むだけになっていきます。したがって、そのようなコントロールが出来ない人は、なにをどうやっても、大きく儲けた数年後にはドン底を味わうような落胆を演じています。そんなに調子のよいことは続くわけもなく、年中儲けられる相場などあるわけがないのに、儲かれば儲かるほど欲が拡大して、そしてそのうち自分の欲に潰されるときが必ず来るのです。
かつてのバブル時代には、不動産投資では大儲けした人であればあるほど、後の崩壊ではとりかえしのつかない大損をしている人がいます。それは不動産を信じたから大儲けできたのですから、最終的には大損となる構造にあったわけです。ところが身の程を知り、欲というもののコントロールが出来た方は数は少ないのですが、しっかりとその時期儲けて、撤退した人もいます。株式も同様であり、限りない欲望にそって強気するのではなく、ほどほどを考え、欲張りすぎることなく自分をコントロールできる人、それこれがしっかりした投資家であります。常に、欲を押さえようとする自分を意識した方がよいのです。