名古屋ボストン美術館
『母なる大地の声―アメリカ・サウスウェスト プエブロ・インディアンの美術』(2000年)

風景写真 カメラ1


ロッキー山脈、コロラド高原、リオグランデ河、コロラド河……
雄大で、厳しい大自然に包まれた
アメリカ・サウスウェスト。
(ユタ州、コロラド州、アリゾナ州、ニューメキシコ州一帯)

プエブロ・インディアンは2000年以上にわたり
この地で暮らしてきました。
「プエブロ」とは この地に最初にやって来たスペイン人が付けた呼び名で、「村」「集落」を意味する言葉だとか。

プエブロの人々にとって、土器は「母なる大地」の肉である土を使ってかたちづくる、まさに自然を体現したもの。
土器づくりは女性の仕事で、その技法は母から娘へ、娘から孫娘へと今日も受け継がれているそうです。

土だけでなく、絵の具、絵筆、燃料にいたる材料すべてを自然から調達し、ろくろも窯も使わずに創られるプエブロ土器。


貯蔵壺
彩色土器
1860-70年代 高さ45.7 直径52.7
サントドミンゴまたはコチティ・プエブロ ニューメキシコ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ1


壺(種子入れ)
彩色土器
1904-10年 高さ16.5 直径32.4
ホピ ファースト・メサ ハノ村 アリゾナ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ2



彩色土器
1890-93年 高さ15.2 直径34.6
ズニ ニューメキシコ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ3



彩色土器 高さ15.24 直径20.95
アコマ・プエブロ ニューメキシコ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ4


幾何学模様・抽象模様の土器は現代人の目から見ると奇抜でかっこいい感じがするけど、
これらの図柄は、「父なる天空」から雨がもたらされ、
「母なる大地」で種子が育ち、豊かな恵みが訪れることを願う、雨乞いの祈りを表しているのだそうな。
アーチ形の模様は「虹」、斜線と縦線は「雨」といった具合に……
(このあたりは半砂漠地帯だものね)

雨天には「鳥」が関係すると考えられていて、
雨を降らせるのは「レインバード」、
雷を呼ぶのは「サンダーバード」。
「サンダーバード」って想像上の鳥(ライチョウとはまったく別の生きもの)だったのかー…。
初めて知りましたタラー


ミンブレス文化 鉢
彩色土器
1000-1150年 高さ12.1 直径28.6
ニューメキシコ州南西部 ミンブレス河谷
ボストン美術館
風景写真 レンズ5


鳥形容器
彩色土器 1000-1175年
高さ25.4 幅19.05 奥行15.87
ニューメキシコ州西部中央 クェイマドとリザーブ地域
ボストン美術館
風景写真 レンズ6


現地の土器作家さんの作品も展示されていて、
これまたお見事!
ちょっと土器には見えないポーン
ツルツルで、石でできてるみたい!目


トニ・ローラー

研磨土器
1999年 高さ25.72 直径22.2
サンタクララ・プエブロ ニューメキシコ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ7


現代の作品、こちらもどうぞキラキラ


ネックレス
骨、トルコ石、銀
1965-70年代 長さ84.5 直径5.4
ズニ ニューメキシコ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ8


アーネスチン・アギラー/トニー・アギラー
ネックレス
トルコ石、真鍮
1990年頃 長さ76.2 直径3.8
サントドミンゴ・プエブロ ニューメキシコ州
ボストン美術館
風景写真 レンズ9


クラレンダ・ロマエステワ
プラーク(飾り板)
ユッカ、ソーホーあるいはガレッタ草
1985-95年 直径34.9
ホピ セカンド・メサ シュンゴーパヴィ村 アリゾナ州
個人蔵
風景写真 レンズ10


山が死ぬとき我々も死ぬ。
川の流れが逆行するとき、我々の魂もそれに従って旅立つ。
我々の世界ですべてはまわりめぐる。
死とは新たな誕生を意味し、誕生とは永遠を意味する。

(ティワ語プエブロ・インディアン 祈りの言葉)


「父なる天空」、そして「母なる大地」に深く根ざした暮らし。
そのなかで培われたプエブロ・インディアンの美術。
自然と共存する彼らの崇高なスピリッツ、
しかと胸に焼き付けましたぞ~キラキラ
(展示総数121点)


『母なる大地の声―アメリカ・サウスウェスト プエブロ・インディアンの美術』
◆2000年5月30日(火)-10月9日(月・祝)
 名古屋ボストン美術館
(2018年10月8日にて閉館しました)


ボストン美術館 →

【トニ・ローラー@グリーンリーブス・スタジオ】


・テーマ「海外の歴史・文明」の記事一覧 →