神戸市立博物館
『マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝』(2012-13年)



オランダのハーグにある、マウリッツハイス美術館
オランダ領ブラジルの総督だったナッサウ=ジーゲン伯ヨーハン・マウリッツ(1604-1679)の邸宅を使い、1822年に開館しました。


昨年、同美術館が大規模な改修工事に入ったことで、
あの世界的名画を含む、17世紀のオランダ・フランドル絵画が東京&神戸に!ピンクハート
実家へ帰って12月30日(日)に行き当たりばったりで出かけてみたら、入場制限もなく、どの作品も最前列からじっくり観ることができましたよチョキ

展覧会の構成は、
・第1章 美術館の歴史
・第2章 風景画
・第3章 歴史画(物語画)
・第4章 肖像画と「トローニー」
・第5章 静物画
・第6章 風俗画
(全33作家、展示総数48点)


ではでは、印象に残った作品を展示順にご紹介~キラキラ


サロモン・ファン・ライスダール
《帆船の浮かぶ湖》
板に油彩 1650-51年頃 36.4×31.7
マウリッツハイス美術館

小さい作品なんですが、奥行きの深さというか、湖の広大さが感じられてGood!グッ


ペーテル・パウル・ルーベンス
《聖母被昇天》(下絵)
板に油彩 1622-25年頃 87.8×59.1
マウリッツハイス美術館

アントワープの聖母大聖堂の主祭壇を飾る祭壇画の下絵。
下絵とは思えないほど素晴らしかった!目

これの完成作の聖母のお顔に、『フランダースの犬』のネロ少年は母の面影を重ねていたんでしたね。


レンブラント・ファン・レイン
《シメオンの賛歌》
板に油彩 1631年 60.9×47.9
マウリッツハイス美術館

描かれているのは「ルカによる福音書」が伝える物語。
聖霊から「救世主を見ずに死を迎えることはない」と知らされていた老シメオンが、両親とともに神殿に来た幼子イエスの姿を見て彼こそが救世主だと悟り、イエスを抱きながら声を張り上げて賛歌を歌う…という場面です。

ドラマチックな明と暗のコントラストで感動が伝わってきますね!キラキラ


ヨハネス・フェルメール
《ディアナとニンフたち》
キャンバスに油彩
1653-54年頃 97.8×104.6
マウリッツハイス美術館

フェルメール・その1。
ワタシの好きな神話の世界だ~音符
でも、何か特定の場面を描いたものではないようです。
フェルメールの作品は、使われている色数が少ないという印象があるけれど、初期の頃にはこんな風にカラフルなものもあるんですね。


そして、そして、
いよいよ今回の目玉でございますよ目

ハイッ、こちら~~!キラキラ


ヨハネス・フェルネーコ/シュー・ヤマモト
《真珠のイヤリングをした少女猫》
1665年

いやいや、お約束でやってみたかったのよ…てへぺろ

では、、、
改めてハイッ、こちら~~!!キラキラ


ヨハネス・フェルメール
《真珠の耳飾りの少女》
キャンバスに油彩 1665年頃 44.5×39
マウリッツハイス美術館
風景写真 レンズ2

フェルメール・その2。
世界で最も愛されている絵画のひとつですね。
特定できないモデルを描いた「トローニー」というジャンルの作品で、これはフェルメールの理想の女性像…?

さすがにここでは黒山の人だかりができておりましたタラー
「最前列から見る」(絵の前では立ち止まらずに歩いて観賞)
「並ばずに見る」(2列目以降から、好きなだけその場に留まって観賞)
のどちらかを選びます。
「最前列から見る」ほうは3分ほど列に並びましたよ。

背景が黒一色で、少女の姿が鮮やかに浮かび上がっているのだけど、フェルメール独特の、フィルターを一枚通して物を見るような空気感がしっかりあります。
初めて観て、チョ~感動!!ってほどじゃなかったんですが、想像してたよりも作品が大きく感じられましたワ。

【真珠の耳飾りの少女】


今回来日したフェルメール作品は2点。
できれば《デルフトの眺望》を加えた3点セットで来てほしかったなぁタラー


アンソニー・ヴァン・ダイク
《アンナ・ウェイクの肖像》
キャンバスに油彩 1628年 112.5×99.3
マウリッツハイス美術館

女性の気品ある美しさもさることながら、
当時のオランダの最新ファッション(この衣裳はフランス風らしい…)に興味津々音符


レンブラント・ファン・レイン
《自画像》
キャンバスに油彩 1669年 65.4×60.2
マウリッツハイス美術館

レンブラントが没した年(63歳のとき)に描かれた自画像。
今回、レンブラントの油彩画は6点あったけれど、
最晩年でもその筆はまったくの衰え知らず!グッ


ピーテル・クラースゾーン
《ヴァニタスの静物》
板に油彩 1630年 39.5×56
マウリッツハイス美術館

人骨は「メメント・モリ(死を忘れるなかれ)」というラテン語の警告を、
オイルランプ、倒れたグラス、懐中時計は「時間の経過」と「はかなさ」「むなしさ」を表してます。
この世は諸行無常じゃあ~タラーという寓意画です。


カレル・ファブリティウス
《ごしきひわ》
板に油彩 1654年 33.5×22.8
マウリッツハイス美術館

実は、、、個人的に一番惹かれたのが、この作品!キラキラ
だまし絵ですねー。
しかも、額のない状態で漆喰の壁に直接はめ込まれていた、とも言われているそうで……
だとしたら、素晴らしすぎる!
(そんなオシャレな家に住んでみたーいピンクハート


ヤン・ステーン
《親に倣って子も歌う》
キャンバスに油彩
1668-70年頃 134×163
マウリッツハイス美術館

飲めや音符 歌え~音符で、
いかにもヤン・ステーンといった感じの騒がしい作品。
画面右側で黒い帽子を被って大笑いする男性は、
作者本人らしい。
134×163cmというサイズは、
風俗画としては異例の大きさだそうです。

タイトルの「親に倣って子も歌う」は、
ことわざのひとつで、
「子どもは、良いことも悪いことも何でも親の真似をするので、親として正しい見本を見せましょう」
「でも、いずれは、子ども自身が生まれながらに持っている本性のほうが、育ちに勝ってしまうので、正しい見本を子どもに見せてもムダになるかもしれませんよ」
という二重の意味が込められているそうな。
うーむ、なかなか深いです……


今回の展示に巨大!な作品はありませんでした。
17世紀のオランダでは、経済的な発展によって市民も絵画を購入するようになり、一般の家でも飾れるように小さめの作品が多く描かれた…という世相を反映してるのかも?ですね。


『マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝』
◆2012年9月29日(土)-2013年1月6日(日)
 神戸市立博物館
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(神戸が最終会場です)


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(神戸市中央区京町24)

マウリッツハイス美術館 →

【マウリッツハイス美術館 リニューアルオープン】


2014年6月27日、リニューアルオープン初日のセレモニーの様子です。

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