【一枚の絵・15】

愛知 刈谷市美術館
『生命の歓喜 棟方志功展』(1990年)より
棟方志功
《柔肌の柵》(「鍵板画柵」より)
紙に木版 1956年



棟方志功の描く女性ヌードって好きなんですよねェドキドキ 女のわたしが見ても惚れ惚れとしてしまいます。
ただの裸体が、額にひとつ「点」を打つだけで仏さまになってしまう。
面白いですよ、ウン。

彼の作品は「版画」ではなく「板画」です。
それは、彼が「板の声をききながら」彫り上げていくからなのだそうです。
確かに、板に顔をくっつけるようにして(驚いたのは、彼が強度の近視だったという事実です)作品を創り上げていくさまは、何か神がかり的なものさえ感じられます。
そして彼の作品には一様に、感情のほとばしりとか、生命の躍動といったものがあふれていて、こぼれそう!

考えてみれば「板画」というのは一発勝負で、失敗は許されません。
修正だぁい好きドキドキミスノン娘のわたしは、ただただ感服してしまうのでありました…。
(1990年10月)


『生命の歓喜 棟方志功展』
◆1990年10月5日(金)-11月4日(日)
 刈谷市美術館(愛知)
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刈谷市美術館 →
(愛知県刈谷市住吉町4-5)

棟方志功記念館 →
(青森市松原2-1-2)


【2009年・追記】
この《柔肌の柵》を含む「鍵板画柵」は全部で59柵あり、谷崎潤一郎の小説『鍵』の挿絵として制作されたものだそうです。

で、、、そのほかの展示作品は、こちらキラキラ

棟方志功
《弁財天妃の柵》
1965年


棟方志功
《無碍の柵》(「女人観世音板画巻」より)
1969年


棟方志功
《星座の絵》(「星座の花嫁」より)
1928年


棟方志功
《花見の柵》(「谷崎歌々板画柵」より)
1956年


棟方志功
《天狗の柵》(「流離抄板画巻」より)
1953年


棟方志功
《飛神の柵》
1968年


棟方志功
《若栗の柵》(「鐘溪頌」より)
1969年


棟方志功
《須菩提の柵》(「釈迦十大弟子 」より)
1939年
風景写真 レンズ8


棟方志功
《富楼那の柵》(「釈迦十大弟子 」より)
1939年
風景写真 レンズ9


【棟方志功作品集】


【棟方志功記念館】


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