兵庫県立美術館
『静物画の秘密展』(2009年)



神戸で開催中の
『静物画の秘密展』に行ってきました音符

ハプスブルク家のコレクションを擁する
ウィーン美術史美術館
この展覧会は、同美術館の所蔵品から
16~18世紀ヨーロッパの「静物画」をピックアップして紹介するものです。
(全4章、61作家、展示総数75点)


まず、スペイン国王フェリペ4世の王女、
マルガリータ・テレサちゃんピンクハート


ディエゴ・ロドリゲス・シルバ・イ・ベラスケス
《薔薇色の衣裳のマルガリータ王女》
キャンバスに油彩
1653/54年頃 128.5×100
ウィーン美術史美術館

この絵は「いいなずけ」である神聖ローマ皇帝レオポルト1世(王女の父方の従兄で、母方の叔父さん)に送られた彼女の5枚の肖像画のうち、最も古い、3歳当時のもの。
ガラスの花瓶には、バラやアヤメとともに、
王女の名前を暗示するマーガレットの花が。
襟と袖口の黒のレースなど、近くで見るとけっこう粗いタッチで描かれてるんですがー、
少し離れて眺めると超リアル!目
肩から脇腹へ斜めに垂らした金の鎖の、
これまたリアルな質感にも注目~。
さすがベラスケス、素晴らしいですっキラキラ


16世紀前後から、独立したジャンルとして描かれるようになった静物画。
市場や台所に並ぶ食料品、日用品、食卓の上のごちそう、狩りの獲物、植物……
宗教的あるいは教訓的な意味が込められていたり、
依頼主の富や権力を示したり、
描かれている人物の人柄や社会的地位を象徴したり…と、
いろんな表現に用いられてます。

こちらは、蓋の開いた懐中時計が「容赦なく過ぎてゆく時間」を、バイオリンが「美しい響きも、すぐにかき消えてしまう」ことを表している、ヴァニタス(虚栄、空しさ)の静物画↓


ピーテル・へリッツゾーン・ファン・ルストラーテン
《ヴァニタス》
キャンバスに油彩 17世紀後半 58×75
ウィーン美術史美術館


また、珍しい花や果物をこぞって画家たちが描くことで
品種改良も進んだのだとか。


ヨーリス・デ・ソン周辺の画家
《果物のある静物》
キャンバスに油彩 1650年頃 81×59.5
ウィーン美術史美術館


コルネリス・デ・ヘーム
《朝食図》
オーク板に油彩 1660-69年頃 34×41.5
ウィーン美術史美術館


ヤン・ファン・デン・ヘッケ
《果実の花綵で飾られた女性像》
キャンバスに油彩 1645/50年頃 58×42
ウィーン美術史美術館


ヤン・ブリューゲル(父)
《青い花瓶の花束》
オーク板に油彩 1608年頃 66×50.5
ウィーン美術史美術館


フランチェスコ・デ・ローザ
《花神フローラ》
キャンバスに油彩
1645/50年頃 103.5×86
ウィーン美術史美術館


ガスパレ・ロペス
通称ロペス・デイ・フィオーリ(「花のロペス」)
《泉の上で紋章を持つプット像のある庭園風景と花》
銅板に油彩 1720年頃 26×45
ウィーン美術史美術館


ティベリオ・ティネッリに帰属
《貴婦人の肖像》
キャンバスに油彩
1620/25年頃 205×115
ウィーン美術史美術館


フェルディナント・ボル
《リラ・ダ・ガンバを持つ女》
キャンバスに油彩 1653年 111×87
ウィーン美術史美術館


ところで、、、
世界史上初めて、バブル経済&バブル崩壊を経験した国は、オランダだそうな。

17世紀当時、最も高価な植物だったチューリップチューリップ
オランダでは1630年代に、チューリップの球根が投機の対象となり、20分の1グラム単位での取引や、現物がないままでの取引が行われた結果、球根相場の高騰と、それに続く大暴落を引き起こしたんですって~ポーン


『静物画の秘密展』
◆2009年1月6日(火)-3月29日(日)
 兵庫県立美術館
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(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)

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