インド人の粘り腰に比べたら日本人は甘っちょろい
以前インド人4人とサラリーの交渉について投稿しましたがそのつづきです。
私は、一人の68歳のエンジニアの嫉妬と気迫に負けました。
「自分よりも6歳も年下のエンジニアが俺よりも学歴も経験も下なのに俺よりも給料が高いのはけしからん」という事でした。その若い、と言っても62歳のエンジニアが彼らの昇給の目標になりました。
要求は非常に人間的な感情論でした。
感情を転覆させるのは理詰めの交渉では無理と踏み、交渉をインド人にバトンタッチしました。
彼はなにをやったか。難しい事は一切言わなかった。トリックつまりウソを言っただけでした。
「隣の芝生はいいように見えるが、ここだけの話、実はすごく安いんだ。こちらの給与が高いことが知れるとまずい。内緒だぞ。よし15パーセントアップでどうだ」
こんな感じです。
交渉は何度もやりました。そのたびにウソに工夫を重ねて、うまくサインさえもらえばいいと考えたようです。
4人のうち2人は、私のオファーよりも安いおカネで合意していました。
これは不思議でした。
結局私の紙に書いた真心のオファーは頭に残っていなかったようです。
私の交渉時には大きな目標額で頭がいっぱいだったのでしょう。
結局、生活に困っていないのですね。うまく騙してうまく騙される。そして禍根を残さない。これがインド流交渉の極意なのかもしれません。でも交渉事が遊びのような印象を受けました。
その68歳氏は最後まで粘ってウソを見破り62歳氏の給料に迫ったようです。
労働者の態度は、常識にとらわれず、気迫を忘れず歳をとっても自分の経験を主張し「若い人間より安いのはなぜか」と突っ込む。
健康じゃなきゃ言えません。
その点、日本のシニア制度は急激に給与が下がるのですから理不尽です。
もう一人の68歳氏は結構なカネ持ちなのですが、契約書にサインした後もまだ粘っています。去年の給与も納得していなくて、私も乗り出してトリックというかウソを言って去年の契約の分だけは諦めてもらいました。
インドは契約社会だと思っていたわけですが、無視する度胸。脅し文句もありました。いつまでも粘るのは当たり前。昔の給与も納得していない差額をくれと言う。人の迷惑を考えない。人目なんか構うものかという態度。
インド人はこのような交渉は当たり前なのかもしれず、そのことで心証を悪くして評価を下げることがあってはならない社会なのかもしれない。
私も含めて日本人は甘っちょろいと思いました。
もっと粘って交渉術を磨かないといけないと思った次第。