米麹の作り方
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米、種麹菌、が手に入れば世界中何処でも米麹を仕込む事が可能です。
私の住む欧州ベルギーの片田舎でも、毎年米麹を仕込み、家族が食べる1年分の味噌を仕込んでいます。

それ以外にも、味醂や甘酒、塩麹、醤油麹に様々な漬物、豆板醤なんかも米麹を使って作る事が可能です。

米麹が自分で作れれば、日本から遠く離れた場所に居ても、現地食材と併せて日本食材の多くを自宅で作る事が出来ます。

紹介したい自家製の発酵・加工・保存食品はたくさんありますが、米麹は最初にご紹介するのに相応しい発酵食材でしょう。

まずは、あると便利な道具紹介からしていきます。

上2つが種麹菌 下は左から蒸し布、さらし、茶漉し、しゃもじ
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蒸しざると蒸し布
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クーラーボックス、湯たんぽ、温度調節用タオル
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温度計
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ボウル(中〜大)
ざる(中〜大)
*米の量に対し余裕のあるサイズを用意
鍋(米を蒸すため)
鍋(煮沸用)
蒸しざる
(普通の金属製のざる+底上げ出来る道具があればそれでも)
バット(米を冷ます、麹蓋に使用)
しゃもじ
茶漉し(目があまり詰まっていない物)
温度計
さらし
(清潔で色移りしないな布であれば何でも)
蒸し布
(さらしでも出来ます)
殺菌用のアルコール(甘味や香りのついていない40度程度のスピリッツ等)

クーラーボックス
(発泡スチロールケースや、段ボールでも可)
湯たんぽ(電気あんか、電気毛布でも)

書き出すと結構ありますが、自宅で普通に食事を作られているご家庭ならば殆どの物が揃う(代用可能)かと思います。

そして一番重要な
種麹菌(国によって持ち込み制限がある場合も…取り寄せる際にも、各国の検疫に問合せを!!)
amazonでもサクッと買えます!
種麹 100g

道具の殺菌方法

家庭で出来る殺菌方法は3点

☆煮沸(100℃で30秒/90度以上で5分以上)
☆次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)
☆エタノール(アルコール)

道具によって適切な殺菌方法を選びましょう。
大きい道具は水拭き、洗剤等で洗った後ハイター又はエタノールスプレーで…
布類は煮沸で…
茶漉しは煮沸し乾燥…等

もちろん手洗いも!


工程の説明

洗米
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米を炊く工程と変わらず、1度目の研ぎは素早く流し2度目3度目と、糠の白濁がある程度クリアになるまで洗米しますが、強く研いでしまうと米が割れてしまうので、優しく割れぬ様に洗いましょう。
割れてしまうと、蒸した際にムラが出来、米麹の仕上がりにひびきます。

浸水
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たっぷりの水で浸水させ、米に水を吸わせましょう。
各国の水質事情があるかと思いますが、軟水を使用してください。
ミネラル分の多い硬水を使用すると炊飯時同様、米の出来上がりがパサついたものに仕上がる事があります。

浸水時間の目安
  12時間
夏           6時間
冬         20時間
室内温度が上がりすぎる夏場に関しては、冷蔵庫内で20時間浸水させるという方法で、水の傷みを防いでください。
その際、臭いの移りにもご注意を。
粒の大きいジャワイカ米、リゾット用の米などを利用する場合や、粒の小さい米を利用する場合は浸水時間を前後させて調整してください。


水切り
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2〜3時間かけてゆっくり水を切りましょう。ざるを強く振って米を割らぬ様注意してください。
乾燥させすぎも割れの原因となります。





米を蒸す
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水切りを終えた米を蒸し布に包み、1時間を目安に米を蒸していきます。
1時間ほど経ったら1度米を数粒摘み潰し一まとまりになる様でしたら完了です。
まだ硬く足りない様でしたらもう10分蒸し、同様に硬さを確認してください。


蒸し米を冷ます



しゃもじで切る様にして蒸気と熱を飛ばしていきます。
36度〜40度程度にまで温度を下げ、いよいよ種付け作業です。なかなか温度が下がらないと思っても、気をぬくとあっという間に36度を下回ってしまいますので、注意してください。


種付け



使用する割合は米1kgに対し種麹菌1gですが、慣れるまでは多めに使用して(1%程)失敗のない様に仕込みをしましょう。多く使う分には問題ありません。
茶漉しに米の量から割り出した種麹菌を入れ、撒いては混ぜ、撒いては混ぜを繰り返し温度が36度を下回る前に手早く終わらせ、煮沸が終わり冷めて絞ったさらしにきつめに丸め包んでいきます。

保温

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湯たんぽや電気毛布等で32度〜36度を維持。湯たんぽは直接当たる部分は温度が上がりすぎる為、タオル等をかませて調整します。
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丁度いい感じです。
{39A6F1D4-B7DD-4942-A3E9-306A8728D7DA}上の画像は蓋が閉まっていますが、麹菌は酸素が重要です!蓋を少し開けて、温度が安定したら空気が入る状態を作ってあげてください。
酸素・適度な水分・適度な温度!


手入れ①
18時間から20時間程経過すると、菌の働きが活発になっていきます。
温度が上昇し、38度から40度くらいまでになっていき、米粒同士もくっつき画像の様に塊になります。手入れ作業ではこの米粒同士をバラバラにし温度を下げてあげるのですが、下げすぎない様に注意が必要です。下げ過ぎたら、保温してあげてください。
塊をバラすのは清潔な素手で問題ありません。
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上がりすぎちゃいました…でも、大丈夫。
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パラパラと米粒が離れたらまた、さらしで包んであげましょう。
これで酸素が全体に行き渡りさらに菌の働き、増殖が活性化します。


手入れ②
1度目の手入れから約6時間後1度目同様手入れをしていきます。
6時間経過前でも温度が38度を超えていたら蓋を開けて温度調節又は手入れを随時行ってください。
回数はあくまで目安です。
この時、さらしの水分がなくなっていたら、手入れの際に煮沸殺菌済みの適度に水分が含んだ新しいさらしに交換してください。

温度調節を続け出麹(麹の出来上がり)の目安は開始から約48時間後。
米に麹黴が均等に覆ったら完成です。
まだ熱がしばらく籠もるため風通しの良い場所で熱を冷まし、冷蔵(3週間)又は冷凍(3ヶ月)で保存してください。
味噌を作る等、塩を添加するのが分かっていれば、予め計算するなどし早めの塩切り(米麹と塩を混ぜる)をおすすめします。