今、アニメや日本のメディアで引きこもりの主人公が人気を集めているのはなぜでしょうか? その背景にある理由に迫ります。
引きこもりは、実生活でも日本のメディアでも、古くから存在するキャラクターです。昔はフィクションにおいての引きこもりは、脇役、あるいは敵役として登場することが多かったです。
しかし、最近は好むと好まざるとにかかわらず、主人公として、スポットライトが当たることが多くなってきています。
しかし、なぜ今、アニメやマンガ、ライトノベルで引きこもりの主人公が人気を集めているのでしょうか? なぜ、多くのクリエイターやファンが彼らに魅力を感じているのか、その詳細をご紹介します。
引きこもりって何?
引きこもりとは、家から一歩も出ない若い青年を指す言葉です。英語で大まかに訳すと、「内に引っ込む、閉じ込む」となります。
仕事もせず、学校にも行かず、部屋にこもってマンガを読んだり、ゲームをしたり、アニメを見たりしながら、不健康な量のジャンクフードを摂取しているのが、引きこもりの日常です。
引きこもりは、オタクとして描かれることが多いです。その理由として、引きこもりの多くは、対処メカニズム(精神的苦悩や問題に対処するために働くしくみ)として、何か取りつかれるように夢中になるものが必要だからです。
引きこもりは、社会的な交流が少ないため、典型的に内向的な性格で、社交的な会話にうまく対処できない事が多いです。また、彼らは、働いていないため、成人していても親と同居していることも多いようです。
引きこもりがアニメの主人公に選ばれる理由とは?
引きこもりは、視聴者自身が引きこもりであるかどうかにかかわらず、感情移入しやすいキャラクターであることが多く、ファンは引きこもり主人公を自分自身の代用としてとらえやすいのです。
また、引きこもりキャラに共通の特徴として、社会性が乏しい、異性と話すのが苦手(特に魅力的な異性と)、運動神経が悪い、などがあります。
別に、すべての引きこもりキャラクターが視聴者と同じであるとか、視聴者にとって自己挿入的な主人公として機能していると言っているわけではありません。
ただ、引きこもりキャラクターが人気となる理由の一つではあると言っているだけです。特に異世界系のアニメやライトノベルにおいては、そうでしょう。
また、引きこもりが主人公の物語の多くは、希望に満ちたメッセージを届けています。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の宿海 仁太(やどみ じんた)は、めんまに、家を出て昔の友達と話をするよう、執拗に言われ続け、幼なじみとの関係を取り戻し、学校に再登校することができるようになりました。
『メカクシティアクターズ』(『カゲロウプロジェクト』のアニメ化)の 如月 伸太郎(きさらぎ しんたろう)は、親友の死後、初めて家を出て、新しい友人関係を築くことができました。
『ネト充のススメ』の盛岡 森子(もりおか もりこ)は、最初はオンラインゲームを通じて友達を作りますが、やがて自信を取り戻し、再び家を出て、現実の友達と会うようになりました。
その意味で、引きこもりのキャラクターは、「物事を良い方向へ考える手段や媒体」と「良い事だってきっと起こる」の2つの側面から捉えることができます。いずれにせよ、同じような境遇にある視聴者を勇気づけようとするものです。
もちろん、それまでの生活をそのまま続けるのか、それとも、自分たちが見たアニメのキャラ達のように一歩踏み出そうとするのかは、その人次第です。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『ネト充のススメ』はdアニメストアやU-NEXTで現在配信されています。
『メカクシティアクターズ』はU-NEXTで現在配信されています。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の原作はAmebaマンガで読むことができます。
引用元:なぜ日本のメディアには「Hikikomori(引きこもり)」・・・