人間に限らず、動物は急激な変化を直ぐには受け入れられないようにできています。
例えば体温は常に一定になるよう自動的に身体が調整してくれていますが、
体温が急に上がったり、下がったりすると、直ぐに元の体温に戻すことが出来ず一時的に体調が崩れ健康ではなくなります。
それが身体にとっては一大事なんです。
だから身体は急激な環境の変化を嫌い、なるべく同じ環境に留まることを好みます。
ただ、便利なことに直ぐに自動調整して平熱にもどしてくれます。
いわゆる恒常性と呼ばれている機能です。
とってもありがたい身体の機能なんですが・・・
人間の発展を阻害することもあります。
実は体温調整等だけではなく、精神的なことにも恒常性は働きます。
慣れ親しんだ環境は、生命の危険が少ないためそこから脱することを無意識に嫌います。
新しいことにチャレンジするとき、たとえ新しい環境の方が良いとココロで思っても、潜在意識は慣れた環境の方にいたほうが変化がなくて安心なんです。
できれば環境を変えず、危険なことに挑戦せず、安全で安心できる場所でできればなまけていたい・・・
これが動物の本来の姿です。
ですが、外敵から身を守ったり、食べ物を探したりしなければなりませんから自然界では、そんな安全安心な環境でいられることはまずないでしょう。
野生の動物でもやむを得ず、環境を変えて挑戦しなければならないこともあります。
整体院の経営にあっても同じことが言えます。
違ったことをやろうと思うと、「こんなことをやって失敗したらどうしよう・・・」とか、「いままでこの方法で良かったんだから、変える必要はないだろう・・・」
そんな思いが脳裏に浮かんでくるのではないでしょうか?
情報化社会の今日では、整体院に限らず経営者にとってこの思考が致命傷となる場合があります。
数か月前まで「この方法が良い」と言われてきたことが、わずかな期間で古くなり通用しなくなるご時世です。
そう考えると、
「整体院」ということば自体がすでに死語なのかもしれません。
これまで、どんなに技術力があって繁盛していたとしても、これからは繁盛するとは限りません。
(他の業種であっても同じ、なぜ家電製品等の工業的技術力のある日本が諸外国に後れを取るようになったのでしょうか?)
私たちは何年も前から「整体院」のあり方を問うようなことばかりを言い続けてきました。
回復整体の技術を利用して何をするのか?
何でもアリと伝えてきました。
方法次第では、「整体院」という名称自体全面にださなくてもいいんだと。
例えば。
たまたま、〇〇というサービスを受けたら、慢性的な□□を取ってもらえた・・・
たまたま、〇〇を購入したら、以前から悩んでいた□□の痛みを解消できた・・・
〇〇には受けたサービス、購入した商品などが入ります。
□□には身体の不調(腰痛、身体の歪み等)が入ります。
例えば、美容院でパーマをかけて肩こりがしたので整体で肩こりを解消してもらった。とか、
ゴルフ用品店でクラブを購入した際、身体の歪みを調整しフォームを改善してもらった。
そんな感じのサービスがあってもいいと言いました。
核は整体でもその周囲のサービスは自分の好きなこと、興味のあることでいいと思うのです。
どんなサービスに整体を取り込むのか?
それはすでに「整体院」ではなく、独自の新しいサービスなのです。
もしかしたら、まだこの世にない自分だけの仕事なのかもしれません。
いままで”普通の整体院?”を経営してきた院長先生が「独自性のある整体院」を新しくはじめるには、覚悟が必要です。
覚悟と言っても、私たちが提案している独自性とは、自分の好きなこと、趣味、楽しいことを前提にした仕事です。
楽しめるのだから、やった方がいいに決まってます。
ただし、楽しむ前に恒常性がはたらき、「そんなことやめた方がいいよ~」ともう一人の自分がささやくことでしょう。
新しい環境になれるまでは、様々な変化があり浮き沈みもあることでしょう。
それも長くは続きません。
小さな失敗を繰り返しながら、うまくやれるようになることでしょう。
一時、環境の変化があっても、慣れてしまえば「どうってことない!」のです。
風邪をひいたとき、一時的に熱はあがりますが恒常性が働いて直ぐに下がるのと同じです。
様々な卒業生を見てきましたが、現状を変える取り組みをした方だけが上手くいっているように思います。