日本語教師のほぼ全員が知っているだろうが、日本語の「~ている」という表現には進行と習慣と状態という3つの意味がある。この意味の多様さは、朝鮮語(韓国語)の話者には混乱をもたらさないかもしれないが、英語話者に混乱をもたらすのみならず、中国語(北京語あるいは普通話)の話者にも混乱をもたらすらしい。
日本語の話者ならば、ほぼ無意識に「進行」の意味で「彼は走っている」と言い、「習慣」の意味で「休まず学校に行っている」と言い、「状態」の意味で「ビルが建っている」と言うので、3つの意味がある事を普段は意識しないだろう。しかし、『月とにほんご』に登場する、ユエさんという在日中国人は、「ビルが建っている」と言われると「ビルが意志を持って建つという動作をしている」という意味合いを感じてしまうとの事だ。
「日本語に対する疑問があるなら日本語の専門家である日本語教師に尋ねて欲しい」という意見も道理があるが、多くの外国人に混乱をもたらしかねない「~ている」という日本語の表現の意味については、外国人に説明出来る人が増えて欲しいものだ。