Introductionピクシー、妖精と呼ばれたパメラの物語
Source)Pamela Colman Smith: The Untold Story
by Stuart R. Kaplan;Mary K. Greer;Elizabeth Foley O Connor;
Melinda Boyd Parsons 2018
ピクシーとは「妖精」と言う意味で、パメラをとても可愛がっていた有名な舞台女優、エレン・テリーが、パメラに名付けたあだ名です。
芸術家でスピリチュアリストのパメラ、ちょっと浮世離れした、エキセントリックな人だったのかな?
現在、パメラ コールマン スミスがデザインしたタロット カード、ライダー・ウェイト・スミス版は 1 億部以上が 20 か国以上で流通しており、史上最も人気のあるセットとなっています。
Reviving a Forgotten Artist of the Occult (hyperallergic.com)
ウェイト・スミス版が刊行されたのは1909年。当時は芸術家の著作権はきちんと守られていたのかな。
現代、あるいはあと50年でも後だったら、パメラは著作権料で大金持ちになっていたはず!
いま各カードの意味を覚えるために2つの書籍(「シークレット・オブ・ザ・タロット」と「タロット象徴辞典」を参考にしていますが、読むたびにパメラのスピリチュアルや図像学、演劇に関する深い教養に感銘を覚えずにいられません。
たしかに、各デッキの図案の原案を考案して、パメラに指導したのはウェイト博士の功績ですが、制作当時このタロットのスタンダードとも言われる図案を描いたパメラが得た評価や対価は、実のところどうだったのか気になりますよね。
ライダー・ウェイト・タロットカード・デッキは、彼女の主要な遺産として残っている ~アートワークの著作権さえもウェイトに関連づけられていため、まだ露わになっていないが~
#IWD22: Celebrating the life & work of Pamela Colman Smith | mmunic ltd
2022年にもウェイト・スミス版タロットのすべてのカードのデザインを描いたイラストレーター、パメラ・コールマン・スミスの人生を2回にわたって投稿しました。
2022年の投稿でもパメラの78枚のイラスト制作費用はごくわずかなものだった※ことを書きましたが、👆の記事によると、さらにこのデッキのイラストの著作権もウェイト博士に関連付けられていたようです。
そのため、どうやら彼女が生前得られた評価も報酬もその偉大な功績に相応しいものではなかったようです。
近年、パメラの功績を再評価する美術展が海外で開催されており、彼女の人生や功績を知る手がかりとなる記事を多数見つけることができました。
この「パメラ・コールマン・スミス物語」の投稿では、最初にパメラの生涯の人生を3つの年表にわけて紹介、そのあと人生の大きなテーマに沿って5、6回にわけて物語を進めていきたいと思います。
ピクシー(妖精)と呼ばれた芸術家でスピリチュアリストのパメラ。
きっと、超現実的なお金のことや著作権のことを主張して交渉する力はあまりなかったのかなと考えてしまいます。
▽物語の続きはこちらから
参考にした文献 Acknowledgments
・The woman behind the strange beauty of the Rider-Waite deck of tarot cards | The Christian Century
・A Pixie in Bude – Pamela Colman Smith, Tarot Artist – Cherry's Cache (cherrycache.org)
・#IWD22: Celebrating the life & work of Pamela Colman Smith | mmunic ltd
・The woman behind the strange beauty of the Rider-Waite deck of tarot cards | The Christian Century
・書評by Elizabeth Foley O’Connor “Pamela Colman Smith: Artist, Feminist and Mystic” 角谷由美子
・The Divine Mystery of Pamela Colman Smith – Enchanted Living Magazine
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