〝湖〟、〝沼〟、〝池〟。この違いをご存知ですか
〝国土地理院〟のホームページを読んでも、明確な数値基準はなさそう。大きさの順番は、湖>沼>池。そして深さは、湖が深くて、沼が浅い。湖の真ん中に植物が生えてるのは沼。人工的に造られたのは〝池〟。でも、実際は、〝ダム湖〟は人工的な池なのに〝湖〟。地元で呼ばれている名前が地図に記載されているそうです。
千葉の〝柏駅〟と〝我孫子駅〟から近い〝手賀沼(てがぬま)〟。大きな〝沼〟です。昔は、今よりずっと大きな〝沼〟。〝第8代将軍徳川吉宗〟の時代から江戸の食糧確保の政策で干拓事業が開始され今のように小さくなりました。そうは、言っても大きいですが・・・。
千葉県柏市手賀の杜に〝杜の葉〟というお蕎麦屋さんが昨年1月に開店しました。
もっと早く開店させたかったです。7年余計にかかりました。
そう話すのは、店主の〝稲葉 誠〟さん。駒込に本店のある有名な〝小松庵〟で修業しました。同じ小松庵出身で昨年(2014年)12月にミシュランの〝ビブグルマン〟に選ばれた超人気店〝一東庵〟の吉川店主から弟弟子の稲葉さんのお店をご紹介頂いたのでお伺いしました。
柏駅東口から〝小野塚台〟行きの東武バスで15分。バス停〝手賀の杜五丁目は、お店の真ん前です〟

まだ真新しい〝看板〟。年に数回、店主みずから柿渋を重ね塗りしています。そのうちに、看板も重厚さが増すのでしよう。

店内は、ランチの喧騒も一段落。5人、2組ほど先客がいらしてました。時計も1時半を回ってます。この後、予定も入っており、ゆっくり出来るのは、1時間ほど。
まずは、いつものこれ。
柏は、最近、仕事で頻繁に来ますが、今日は、休暇を取って来ました。朝は、友人のМさんが主催する〝抹茶の勉強会〟に顔を出してやって来ました。
平日ですが、堂々と飲めます。

突き出しは、牛蒡や蒟蒻の煮物。

〝そば味噌〟。
辛めの八丁味噌をベースに蕎麦の実がたっぷり入っています。辛党には、堪らない味。日本酒に合いそうです。

〝そばがき〟をお願いしました。
野趣溢れるそばがきという感じ。熱いお湯に浸かって蕎麦の香りと湯気を立ち昇らせています。蕎麦の味や香りが大好きな人は、蕎麦切りよりもそばがきの方が好きかも。

華麗麺麭(カレーパン)が決まって注文する〝厚焼き玉子〟。
いい焼き色です。
こんなの出されちゃ、やはり日本酒を飲まなきゃ。


ドリンクメニューを見てびっくり。
大好きな〝雅山流(がざんりゅう)〟が揃っています。しかも、入手が超困難な〝裏・雅山流〟まで。

これが飲める。柏に来た甲斐がありました。\(^o^)/
山形米沢市の〝新藤酒造店〟が醸す超人気酒。〝九郎左衛門〟の特別ブランドです。特に、超レアな裏・雅山流。店主は、奥さまのご実家の近くの酒屋さんまでわざわざ買いに行かれるそうです。そんな貴重なお酒。悪いなあと思いながら、一合頼んじゃいました。純米大吟醸の〝袋吊り・斗びん取り〟です。酒の旨味が凝縮されています。

やはり、裏・雅山流。最高
さて、もうすぐお迎えのタクシーが来ます。急がねば・・・。
今月の特別メニューの〝煮抜き汁の蕎麦〟にも心を惹かれますが、選んだのは、〝かしわせいろ〟。
だってここは、〝柏(かしわ)〟だもん。

蕎麦はエッジの立った美しい手打ち蕎麦。技術の高さが見た目でも分かります。
本日の蕎麦は、栃木県益子町の〝鈴木 幸一〟さんが生産する〝常陸秋そば〟。良質な蕎麦として有名です。

コシがあり、喉越しの良い美味しい蕎麦。手繰りながら、今は、超有名になった〝一東庵〟のニ八そばに感動した4年前を思い出しました。小松庵の兄弟子だった吉川 邦雄さんがお店を開いたのは、39歳の時。稲葉さんは吉川さんより3歳も若く開店させたじゃないですか・・・。

つけ汁の中には、何が入ってるのかな

濃厚で美味しい温かいつゆの中には、宮崎県都城市産の銘柄鶏〝さつま純然鶏〟がごろごろ入ってます。たくさん入ってるので、残った鶏肉だけを食べるためにマスタードも用意してくださいます。この心遣いがいいですね。

表面の鶏皮を炙った鶏肉が入ってます。マスタードをつけて美味しく頂きました。しかも、この鶏肉は、炙った後に〝赤ワインビネガー〟の入った特製ダレに漬けこまれてからつけ汁に入れられているという手の込んだもの。美味しくない訳がありません。さすが柏のかしわせいろ。

稲葉店主から、特別に〝辛汁〟も試してくださいと頂きました。自信のあるそばつゆなんですね。確かに鰹節の風味が利いた美味しいつゆです。鶏肉の苦手な方も美味しいせいろが頂けます。

〆のそば湯を頂きました。ホットなそば湯に心までほっと。

タクシーが迎えに来ました。もう出なくちゃ。後ろ髪を引かれる思いでご店主、奥さまにお別れをして店を後にしました。奇しくも、この日、営業終了後に稲葉さんは、一東庵に行かれるとか。そしてワタシの次に向かった先は・・・。
このお店から見上げると丘が見えます。そこには、蕎麦の神さまがいらっしゃいます。〝阿部 孝雄〟さん。 〝竹やぶ 柏本店〟のオーナーです。全国に千人を超えるお弟子さんを育てた巨匠です。その巨匠の絵画の個展と講演会が30分後に開かれます。
まことに小さな蕎麦屋が、開花期を迎えようとしています。手賀沼を見下ろす丘の上には、入道雲のように大きな存在の蕎麦屋が立ちはだかっています。若い店主は一生を賭けて丘を目指し登って行きます。きっといつか、店主は、大きな入道雲に追いつくでしょう。 37歳の稲葉 誠。登山口に着いたばかりです。
【おまけ】
巨匠・阿部孝雄さん(左)とたまたま会場にいらっしゃった〝吟八亭やざ和〟の矢澤登志和さん(右)と一緒に記念写真撮って頂きました。華麗麺麭はトリミングで消えてます。

