《毎月一回行っている海馬文学会の読書会です。テーマ本は、近現代の国内外の古典や純文学、中間小説などの中から、同人・会員の推薦で決定(基本は文庫本)。他に芥川賞受賞作を年二回、同人誌「海馬」合評会を年一回実施。
自由に感想や意見を述べ合う場ですので、老若男女どなたでもお気軽にご参加ください。
丁寧に読むことを通じて、いろんな気付きや新たな発見があると思います。特に小説を書いている方や、これから書いてみたいという方の参加は歓迎です。》

〇テーマ本

『私が語りはじめた彼は

 三浦しをん

(新潮文庫)



〈三浦 しをん〉(みうら しをん、本名)
1976(昭和51)年、東京都生まれ。父は上代文学研究者の千葉大学名誉教授三浦佑之。 
95年早稲田大学文学部入学。文学科演劇専修 に進む。
卒業後は、出版社に就職することを志望。その活動中、早川書房の編集者村上達朗に執筆の才を見い出され、彼の勧めで「Boiled Eggs Online」のサイトで読書エッセイ『しをんのしおり』の連載を開始。 
その後多くの出版社や編集プロの面接を受けるも、折からの就職氷河期のため全滅し、そのまま99年に大学を卒業。
それ以後、外資系出版社や町田駅前の大型古書店のアルバイトなどを2001年まで続ける。 
その途中、早川書房を退社していた村上から小説を書くよう激励され、「自分の就職活動なら書けるのでは」と執筆に着手。自らの経験をもとに書きあげた処女小説『格闘する者に○』(草思社)を出版。だが、作家としての実感はなかなか持てなかった。
2年後に『秘密の花園』で手応えをつかむ。そして05年『私が語りはじめた彼は』で山本周五郎賞候補。同年7月の『むかしのはなし』で直木賞候補となる。この頃が最も試行錯誤を重ねた時期だった。
06年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞。20代での直木賞は山田詠美などに続いて4人目である。 
12年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれる。15年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞を受賞。18年『ののはな通信』で島清恋愛文学賞及び河合隼雄物語賞を受賞。19年植物学専攻の大学院生を描いた『愛なき世界』で、作家としては初の日本植物学会賞特別賞を受賞。 
04年から雑誌『Cobalt』短編小説賞の選考委員、08年から太宰治賞の選考委員、09年から手塚治虫文化賞の選考委員、12年からR-18文学賞の選考委員、20年には直木賞選考委員に就任している。 

本作『私が語りはじめた彼は』は、直木賞受賞前の20代最後の2005(平成17)年に書かれ、山本周五郎賞候補となった作品である。 
私は、彼の何を知っているというのか? 
彼は、私に何を求めていたのだろう? 
大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘たち――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。
だが、それは愛というようなものだったのか。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。
迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛や家族関係の危うさをあぶりだした、著者会心の連作長編とされる。
(解説・金原瑞人)

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原則として第3日曜午後2時開催。ただし日時と会議室は変更する場合がありますので、必ずこのブログで確認してください。


〇日時 6月16日(日)

 午後2時~4時半

〇場所 神戸市中央区文化センター 10F

 1006号会議室

〒650-0031 

神戸市中央区東町115番地  10・11階(受付10階) 

(TEL)078-351-2942

(アクセス )

JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から南へ徒歩6分、旧神戸市役所西側



〇会費 500円(どなたでも自由に参加できます。初回参加者は無料、見学可)


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