《毎月一回行っている海馬文学会の読書会です。テーマ本は、近現代の国内外の古典や純文学、中間小説などの中から、同人・会員の推薦で決定(基本は文庫本)。他に芥川賞受賞作を年二回、同人誌「海馬」合評会を年一回実施。
自由に感想や意見を述べ合う場ですので、老若男女どなたでもお気軽にご参加ください。丁寧に読むことを通じて、いろんな気付きや新たな発見があると思います。特に、小説を書いている方やこれから書きたいという方の参加は歓迎です》

〇テーマ本

須永 朝彦 小説選

山尾 悠子編

(ちくま文庫)


〈須永 朝彦〉(すなが あさひこ)
1946年−2021年。栃木県出身。歌人、小説家、評論家。
1964年高校卒業後、詩人高橋睦郎の影響から短歌の制作に没頭。66年木版刷歌集を作成し、堀口大學・澁澤龍彦・塚本邦雄などに献呈。
70年以降『話の特集』『ミステリマガジン』などで散文を発表。71年評伝『鉄幹と晶子』を上梓し作家専業となる。 
72年歌集『東方花傳』を発表、漸次短歌から離れ、74年『就眠儀式』以降小説やエッセイを手がける。
83年、坂東玉三郎の日生劇場ギリシア悲劇『メディア』の翻訳台本を担当。
80年代以降は『幻想文学』にしばしば寄稿、また幻想文学関連の編集や内外古典の翻訳も多く手がける。

 少年時代から和歌・短歌・俳句・詩などに親しみ、在原業平、和泉式部、藤原定家、與謝蕪村、与謝野晶子、北原白秋、木下杢太郎、日夏耿之介などを愛誦。
また『源氏物語』や中世の物語、江戸文芸や能・浄瑠璃、歌舞伎に至るまで広く親しむ。
三島の評論・エッセイから澁澤龍彦、森茉莉、ジャン・ジュネ、サドなどの文芸を教えられる。
日本文学では森鷗外・泉鏡花・谷崎潤一郎・佐藤春夫・稲垣足穂・三島由紀夫など、また外国文学ではE.T.A.ホフマン、スタンダール、メリメ、トーマス・マンなどを愛読した。
幻想的な作風が特徴で、60−70年代の異端、耽美、幻想といったムーブメントの中、独特の作品世界を形成。文体に技巧を凝らし、旧仮名遣いや擬古文をしばしば用いた。『就眠儀式』『天使』は耽美小説の聖典と呼ばれる。
晩年は長野県千曲市に移住。2021年75歳で死去。

本小説選は須永朝彦を敬愛する山尾悠子が、耽美小説の聖典と称された『就眠儀式』『天使』や密かな注目を集めつつ単行本化されなかった連作「聖家族」まで、遺された小説の中から25作品をセレクトしたもの。
チェンバロの綺羅綺羅しい響き、橋の袂に佇む天使、青暗い水に潜む蛇、吸血鬼、美少年、黒い森の古城……それはまさに「一語の揺るぎもない美文、人工の言葉でできた小宇宙」。
稀代の審美眼を有した異能の天才が、独特な美意識で描き出す官能と美の迷宮は、多くの幻想文学ファンを魅了してやまない。

〈編者 山尾 悠子〉(やまお ゆうこ)
1955年生まれ、岡山県出身。日本の小説家、幻想文学作家、歌人。
同志社大学文学部国文科に進学。大学図書館で『澁澤龍彦集成』(桃源社)を手に取り、異端文学に興味を持つ。
在学中の1973年に「仮面舞踏会」を『SFマガジン』(早川書房)のSF三大コンテスト小説部門に応募して選外優秀作に選ばれ、75年にデビュー。
 クールかつ詩的な文体で作品を執筆し、カタストロフに満ちた美しい幻想的な世界を創り上げた。寡作で知られ85年以降一時執筆を途絶したが、99年に再開。
2018年発表の『飛ぶ孔雀』で第46回泉鏡花文学賞、第39回日本SF大賞、第69回芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞した。

神戸市勤労会館が22年6月で閉館したため、読書会は新しい中央区文化センター(旧神戸市役所西側)で開催しています

原則として第3日曜午後2時開催。ただし日時と会議室は変更する場合がありますので、必ずこのブログで確認してください。


〇日時 4月21日(日)

 午後2時~4時半

〇場所 神戸市中央区文化センター 10F

 1006号会議室

〒650-0031 

神戸市中央区東町115番地  10・11階(受付10階) 

(TEL)078-351-2942

(アクセス )

JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から南へ徒歩6分、旧神戸市役所西側



〇会費 500円(どなたでも自由に参加できます。初回参加者は無料、見学可)


読書会や海馬文学会へ参加ご希望の方や、お問い合わせなどのある方は、下記宛にメールかハガキ、またはお電話くださいますようお願いいたします。

(連絡先)

〒662-0031 兵庫県西宮市満池谷町6-17

海馬文学会 永田祐司

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