《毎月一回行っている海馬文学会の読書会です。テーマ本は、近現代の国内外の古典や純文学、中間小説などの中から、同人・会員の推薦で決定(基本は文庫本)。他に芥川賞受賞作を年二回、同人誌「海馬」合評会を年一回実施。
自由に感想や意見を述べ合う場ですので、老若男女どなたでもお気軽にご参加ください。丁寧に読むことを通じて、いろんな気付きや新たな発見があると思います。特に、小説を書いている方やこれから書きたいという方の参加は歓迎です》


〇テーマ本

西 加奈子『iアイ』

(ポプラ文庫)



〈西 加奈子〉
1977年父の海外赴任地イランのテヘランに生まれ、イラン革命が起きた2歳のとき帰国。次いで小学1年から4年までエジプト・カイロで過ごし、帰国後は大阪府和泉市で暮らす。関西大学法学部卒。 
大学卒業後は就職せず、ライターなどのアルバイトのかたわら短編小説を書き始める。その後単身上京し、知り合いから小学館の編集者を紹介され、2004年『あおい』でデビュー、翌05年に発表した『さくら』が20万部を超えるベストセラーとなった。
さらに07年『通天閣』で織田作之助賞。
13年『ふくわらい』で直木賞候補、河合隼雄物語賞。
15年作家生活10周年を記念して上梓した『サラバ!』で直木賞受賞、本屋大賞2位。 
23年『くもをさがす』でノンフィクション大賞オールタイムベスト大賞受賞。
06年の『きいろいゾウ』が宮崎あおい、向井理の出演で映画化される(13年公開)。
12年結婚、17年第1子を出産。19年語学留学のため家族でカナダ・バンクーバーに転居し22年帰国。

16年発表のこの長篇小説『i(アイ)』は、現在進行形の切実な思いをぶつけた一作。本人インタビューでは「次はLGBTについて書こうと思っていたんです。自分がLかGかBかTか分からない、どこに属するかも分からないQ(=Questioning)という概念が素晴らしいなと思って。でも、究極私たちが最初に属すアルファベットがあるとすればI(=自分)だな、ということは思っていました」と語る。
その間も国内のヘイト問題や、シリア難民のニュースを見て思うところが溜まっていった。そして胸に突き刺さったのが、世界中に衝撃を与えたあるニュース写真だった。
「だからどうしても、シリアに思いをはせる話を書きたくなったんです」という。

シリアで生まれた少女は、アメリカでダニエルと綾子夫婦の養子となり、アイと名づけられる。両親の深い愛に包まれながらも、その環境をただ恵まれたものとして受け入れることができず、アイは孤立感を深めていく。その後、日本へ移住したアイは、高校の入学式の翌日、数学教師の「この世界にアイは存在しません。」という言葉に、強い衝撃を受ける。そして彼女=ワイルド曽田アイの胸にその言葉は居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは――。
巻末に又吉直樹氏との対談も収録されている。

神戸市勤労会館が22年6月で閉館したため、読書会は新しい中央区文化センター(旧神戸市役所西側)で開催しています

原則として第3日曜午後2時開催。ただし日時と会議室は変更する場合がありますので、必ずこのブログで確認してください。


〇日時 2月18日(日)

 午後2時~4時半

〇場所 神戸市中央区文化センター 10F

 1006号会議室

〒650-0031 

神戸市中央区東町115番地  10・11階(受付10階) 

(TEL)078-351-2942

(アクセス )

JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から南へ徒歩6分、旧神戸市役所西側



〇会費 500円(どなたでも自由に参加できます。初回参加者は無料、見学可)


読書会や海馬文学会へ参加ご希望の方や、お問い合わせなどのある方は、下記宛にメールかハガキ、またはお電話くださいますようお願いいたします。

(連絡先)

〒662-0031 兵庫県西宮市満池谷町6-17

海馬文学会 永田祐司

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