《毎月一回行っている海馬文学会の読書会です。テーマ本は、近現代の国内外の古典や純文学、中間小説などの中から、同人・会員の推薦で決定(基本は文庫本)。他に芥川賞受賞作を年2回、同人誌「海馬」合評会を年1回実施。

自由に感想や意見を述べ合う場ですので、老若男女どなたでもお気軽にご参加ください。丁寧に読むことを通じて、いろんな気付きや新たな発見があると思います。特に、小説を書いている方やこれから書きたいという方の参加は歓迎です》


〇テーマ本

內田 百閒

『ノラや(中公文庫)



〈內田 百閒〉(うちだ ひゃっけん)
1889年(明治22年)岡山市の造り酒屋に生まれる。本名榮造。
岡山県立岡山中学校入学。『吾輩は猫である』を読み、夏目漱石に傾倒。
1907年(明治40年)第六高等学校(現在の岡山大学)入学。国語教師の影響で俳句を始め、俳号を地元の百間川にちなんで「百間」とする。(その後表記を「百閒」に改めた)
10年(明治43年)東京帝国大学文科大学入学(独逸文学専攻)。11年(明治44年)療養中の夏目漱石を見舞い、門弟となる。
14年(大正3年)東京帝国大学卒業。
20年(大正9年)法政大学教授(予科独逸語部)に就任。
21年(大正10年)短編小説『冥途』『山東京伝』『花火』などを発表。翌年処女作品集『冥途』を刊行。
33年(昭和8年)随筆集『百鬼園随筆』を刊行、ベストセラーとなる。 
34年(昭和9年)法政大教授を辞職、以後文筆業に専念。
45年(昭和20年)東京大空襲により自宅焼失。 
50年(昭和25年)大阪へ一泊旅行。これをもとに随筆『特別阿房列車』を執筆、以後シリーズ化し戦後の代表作となる。
57年(昭和32年)愛猫「ノラ」が失踪。『ノラや』をはじめとする随筆を執筆。 59年(昭和34年)小説新潮に『百鬼園随筆』の連載を開始。
70年(昭和45年)最後の百鬼園随筆である『猫が口を利いた』発表、絶筆となる。 71年(昭和46年)没。
夏目漱石の門下生の一人で、夢の光景のように不可解な恐怖を幻想的に描いた小説や、諧謔に富んだ随筆を多数執筆し、名文家として知られる。代表作に『冥途』『旅順入城式』『百鬼園随筆』『阿房列車』など。

本作『ノラや』は、ふとした縁で飼っていたがある日庭の繁みから消えてしまった野良猫の子ノラ。その後ノラに似ているという理由で迎えた迷い猫のクルツも病死してしまう……愛猫さがしに英文広告まで作り、「ノラやお前はどこへ行ってしまったのか」と涙塞き敢えず、垂死の猫に毎日来診を乞い、一喜一憂する老百閒先生の、あわれにもおかしな、情愛と機知に満ちた連作14篇。
百閒は元々は猫好きではなかったが、猫を描いた作品も多く、これらは猫文学・ペットロス文学の代表作の一つとなっている。


神戸市勤労会館が22年6月で閉館したため、読書会は新しい中央区文化センター(旧神戸市役所西側)で開催しています

原則として第三日曜開催ですが、日時と会議室は変更する場合がありますので、必ずこのブログでご確認ください。

〇日時 10月16日(日) 午後2時~4時半

〇場所 神戸市中央区文化センター 11F

1107号会議室

〒650-0031 

神戸市中央区東町115番地  10・11階(受付10階) 

(TEL)078-351-2942

(アクセス )

JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から南へ徒歩6分、旧神戸市役所西側



〇会費 500円(どなたでも自由に参加できます。初回参加者は無料、見学可)


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海馬文学会 永田祐司

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