韓国三大悪女のひとりに数えられる、張緑水。
張緑水は暴君として悪評を残した１０代王・燕山君の側室だった女性。
しかし張緑水のもともとの育ちは極端に貧しかったと言われています。生活のために身を売る娼婦になったこともあったそう。しかも多くの男性と肌を交える自堕落な生活のうちに複数の子供までもうけていた
そんな底辺の惨めな暮らしからなんとか生き延びようと緑水は懸命に生きていた。
これらの経験が張緑水を上昇志向の極めて強い女性にした。
やがて張緑水は、運良く王族である斉安大君の家僕として雇われ、斉安大君の奴婢と結婚して子宝にも恵まれました
斉安大君は王族の中でもかなり身分が高く、生活は保証されたも同然。そこで家族と共に幸せに一生を終えてもいいくらいの待遇でした。
しかし張緑水はそんな幸福に心から満足できなかった。。
雇い主である斉安大君は、芸術に理解があり王朝でも指折りの風流人
張緑水が歌舞を習い始めると持って生まれた天才的な才能をみるみる開花させ、特に歌謡に優れており、その美しい歌声を聴いた者はたちまち張緑水の虜になってしまうほどの美声の持ち主でした
張緑水は自分の芸術的な才能を信じた。
だから家族との安定した暮らしを捨てて、すでに３０歳を過ぎていたが妓生になった。
緑水は燕山君より１０歳以上年上であり、たいして美しくもそれほど可愛くもなかったが、男好きのする顔をしており、３０歳を超えていたが、２０歳に見えるほど初々しく若々しかった。
緑水は斉安大君の紹介で宮廷に上がった。
国王・燕山君は緑水の美声を気に入り、妓生を側室にするなど異例のことではあったが緑水を王宮にいれ側室としました。
朝鮮王朝第１０代国王、燕山君は幼い時から激しい権力争いに巻き込まれ、幼い時に母を殺され失ったこともあり、その心は激しく荒んでいた
そして燕山君はいつしか王宮内で妓生を集めては自堕落な生活を送り、国家の財宝を空にするほどの贅沢な暮らしに溺れた。
幼い頃に母を殺された燕山君にとって年上の緑水は他の側室にはない母性を感じ、後宮へ迎え
おそらく多くの男性遍歴のおかげで、彼女は燕山君をまるで子供をあやすように接っするまでに王の心を完全に支配し、母性という武器で燕山君の心の穴を埋めたのかもしれません。
緑水は燕山君の寵愛を独占することに成功し、すぐに淑媛に、そして１５０３年には淑容にまで出世
１５０２年１２月８日には翁主霊寿（れいじゅ、ヨンス）を出産。１５０３年には淑容に封じられた。
燕山君は張緑水をたいへん寵愛し、激しく立腹していても、彼女の姿を見れば喜び笑う程であったという
緑水は日に日に増長していき、ある日燕山君が設けた宴席に数人の妓生が招かれた。
その内のひとり、玉池花が緑水のチマ（スカート）を踏む事件が発生し、それを緑水は燕山君に告げ口し、なんとその妓生の首を無残にもはねてしまいます
（剣舞を披露する妓生たち）
燕山君は多数の妓生を引き連れて遊興にうつつを抜かし、諫言する功臣たちはことごとく残酷な刑罰で処刑していくことになります
しかし彼女の栄華は長く続かなかった。
１５０６年、燕山君はクーデターにより失脚。
廃位された燕山君は江華島に流刑になり３０歳の若さで死んだ。
権力を濫用して民の恨みを集めていた緑水は国王の側近と共に捕らえられ斬首刑に処せられた。
緑水という涼やかな美しい名前を持った張緑水だったが、その遺体は市中の賑やかな所に晒され、多くの人々が石を投げては罵声を浴びせたといわれています。
張緑水が出てきます
