土曜の朝一番から帝王切開?どうなるぅ?

かお先週の土曜日のことです.

  朝一番に帝王切開が入ったのです.

  シェルティーが破水があるけど生まれないと来院.



レントゲン超音波で検査すると胎児の心臓は微弱ながら動いている!

  まだ1~2時間は大丈夫そうだが、早く出してやらなければ...

ナイフすぐに器具の準備にかかると同時に、血液検査と点滴開始

点滴お母さん犬に鎮静剤を注射して、酸素吸入

  まだ次の診察は入っていない.

  あと40分ほど誰も来なければ

  手術も焦ることなく終わることができるのだが....

ドッグフードドッグフードを取りに来た人が1人来院.

  大丈夫..

  手術室の準備に取りかかる.

注射今度はワクチンのワンちゃんが来院.

  勤務医の先生に任せる..すぐに終わって大丈夫...

  来院から20分が経過

洋服オペ着に着替えて麻酔薬の準備

採血アトロピンの注射

注射マイケルジャクソンがこれで亡くなったんだよなと思いつつ

  「プロポフォール」を規定量準備

パーよ~しはじめるよぉ!とみんなに声をかける.

  1.プロポフォールで麻酔をかけ

  2.気管挿管

  3.心電図モニター開始

  4.血圧 ガスモニター類の装着

  5.毛を刈って 術野の消毒

  6.術者の手洗いとガウン・手袋装着
 
  7.心拍数148  呼吸数16 sPo2 98 少し多めだが始めます

デザインナイフ皮膚を切って、腹壁を切り、子宮が見えた

  大きい.もう少し切り口を切り広げる

  子宮全体をお腹から出す.3頭のようだ

  胎児を傷つけないように子宮を切る

  子宮の切り口に親指、人差し指、中指を入れて

  胎児の頭をつかむ

  よ~し、すぐ出るよ!と外回りスタッフに声をかける

  看護師はタオルを広げてすぐ後ろに待機

  「産湯の準備は?少し熱めか?」と聞く

  「大丈夫です」と一言を聞くと一気に胎児を取り出し

  タオルの上にそっと落とす

  看護師はすぐに胎児を産湯に漬け

  取り出して、タオルで拭いたり、口の中をぬぐったりする

  背中や胸をマッサージしながら体を乾かす

  鉗子に綿花をつけて丸め、口の奥を一拭きすると

  胎児が鳴いた「ビー」っと

  私は次の胎児の頭をつかんでいる

  「次の子出すよ!」と声をかける

  「ヘソの緒を今くくって切りますか?」と看護師

  「いや後で良いだろう、その子は大丈夫だから、次の子だ」

  グズグズしていられない

  すぐに2頭目を取り出して手渡す 

  同じようにマッサージして「ビー」と鳴き、ホッとする

  3頭目も同じ手順で大丈夫.スタッフの息が合ってきた. 
  
  「こっちはもう大丈夫だ」

  「胎児のヘソの緒を1センチで縛って切ってくれ」

  手術助手の勤務医は胎児の元へ向かって処置をする

  私は1人で縫合となるが

  麻酔が安定していれば手術はもう急ぐことはない

  胎児を取り出すまでは急がなければならない

  胎児にも麻酔がかかって「スリーピング・ベイビー」になるからだ

  開始から38分 縫合無事終了

  麻酔器をはずすまで、まだ5~6分はかかるだろう

  待合室には緑内障のチワワ君とエコー検査予定の猫ちゃん

  何も言わず待っていてくれた

  近所の人でフードを買いに来られた人にも

  「今、帝王切開しているらしいいよ」

  と、このかた達が説明してくれたようだ.
  
  「忙しそうだからまた後で来るわ」と言われたそうだ

  2軒隣の人で良かったぁ 迷惑かけるところだった

  緑内障の子の診察を終えると

  「無事生まれましたか?」と聞かれた

  「すみませんお待たせしちゃって」と言いながら

  下の3兄弟を少しだけお見せした

  $かい動物病院-新生児

  エコー検査の猫ちゃんも待っていてくれた

  昼からはワンちゃんの乳腺腫瘍の手術だった

  今日はビールが旨いだろうなと考えてしまった...

  慌ただしかった土曜日...でも充実の日でした.