どうも炬燵で寝てたらしい。



何気ない気配で目が覚める。

ふと周りを見渡す。

ん・・・?・・・


「ママ、起きた?」

次女が傍らで、眠そうに言う。

どうやら私の傍らで寝ていた様子。


「お前、学校は・・・・」

時計を見て、顔面蒼白になる私。


「ママが具合悪そうだから、行くの止めた!」という。

「そんなことで?アホか、早う学校行け!!」


怒ってたら、玄関のチャイムが鳴る。

ピンポーン、ピンポーン


次女がインターフォンに出る。

「どなたですか?」


「あたしだよっ!!Yちゃん(次女)迎えに来た!!」

迎えに来たのはNちゃんという近所の仲良しさん。

どうやらいつもの待ち合わせ場所にいつまでも次女が来なかったものだから

心配して迎えに来たらしい。


「Nちゃんっ!学校はっ!」

「うん、ずっとYちゃん待ってたから!まだ行ってない!」という。

「おばさんが急いで車で連れていってあげるから待っててね!」


「大丈夫・大丈夫。Yちゃん、間に合うよ!早く行こう!」

YとNちゃんが玄関から出ようとした時


「あ・・・おばちゃん、凄いニュースだね!」

リビングのテレビを指すNちゃん。


振り返ると、ヨーロッパのどこかの街並みが水の中に消えていくシーンが映し出されている。その街並みは映画のワンシーンのように美しい。そんな街の坂道に赤い消防車がなぜか横倒しになっている。それを駆け上ってきた水が飲み込んでいく。水はその後も次々に襲い、そのうち坂や街全体が消えていった。


「あ~あ~・・・」

ニュースでアナウンサーが何か叫んでいる。



「おばちゃん、おばちゃん、怖いね怖いね。あんな風にみんな飲まれていくの?」





Nちゃん大丈夫よ。

そう言い返そうとして、目が覚めた。