わたしはある地下にいた。
地下には大勢の人間がいた。
わたしもその中にいる。
みんながざわざわ話している。
わたしはそこへ息を潜めている。
なぜなら、見知らぬ女がものすごい形相でコチラを睨み付けているからだ。
困った私は息を潜めて、他人の背後に隠れるように座っているしかないのだ。
その鬼のような形相の女がやおら立ち上がり
わたしの方に向かって歩き出した。
あ、こっちに来るな~・・・
そう思った瞬間
ドッカ~ンという
ものすごい地響きが聞こえた。
爆音が聞こえたと同時に
地下トンネルが崩れ出してゆく。
石が崩れ出し
みんな一斉に逃げだ出した。
わたしもみんなと一緒に逃げ出した。
爆音という爆音が絶え間なくと鳴り響き
地下トンネルが音を立てて崩れ落ちてゆく。
まるで戦争みたいだ。
容赦しない爆撃に、ここにいるものみんな殺すつもりなんだな、と実感した。
わたしは時折落ちてくる石の欠片に気をつけながら逃げた。
そのとき、横に走っていた人がいきなり私の左手を叩いた。
叩かれた反動で、わたしの手はそばにあったガラス戸の中に。
思わぬところで手のひらに怪我をしてしまった。
痛たたた、と手のひらに気をとられた瞬間、みんなとはぐれてしまったようだ。
周りを見回しても誰もいない。
しまった、逃げ遅れた。
内心焦ったが、仕方ない。
怪我した手を労わりつつ、さあ歩き出そうとした瞬間、
あの女が私の前で仁王立ちしてることに気がついた。
女は物凄い形相でコチラを睨み付けている。
私は唖然として、女を眺める。
女はわたしにいきなり飛び掛ってきた。
唖然としているわたしの上に馬乗りになってきて、こう言った。
アタシの方が強いのよっ!!
アンタなんかアンタなんかっ!!
意味不明なことをブツブツ言いながら
首をギュウギュウ絞め上げてくる。
わたしは仕方ねぇな~と思いつつ
彼女の手を振り解いた。
どうしてこんなことする?
聞くと
まだ彼女はブツブツ言っている。
そして鬼のような形相で睨みつけながら、こう言う。
アタシはアンタなんかより強いのよっ!!
わけわからん・・・・
終始言動が意味不明、理解不能なこの女に唖然としてると
今度は女が空に向かってピュっと指笛を吹いた。
なんのことかと空を見上げたら
大きな鷲が飛んできた。
女はその鷲を腕に乗せて、
この女(わたし)を殺っちまいなっ!!と命令する。
またも唖然・呆然とする自分。
どうしてこんなに殺意を向けてくるのか訳分からない。
その鷲が私に飛び掛ろうとした瞬間・・・
あわや殺られるか、と思ったら
なぜか鷲は私のお腹の上に着地・・・・w
そして鷲はノホホ~ンとした様子で
私のお腹の上で優雅に羽づくろいし始めた。
女は自分の鷲が
指示通りに動かないことに苛立ち始めた。
ほら殺れってばっ!!
ほらどうしたのっ!!
早く殺りなさいよっ!
アタシの方が強いんだからっ!!
女がヒステリックに
叫び続ける。
だんだんと
聞いてるコチラが虚しくなってきた。
女はそのままずっと意味不明なことを喚き続け・・・・・わたしは呆れ・・・
そこで目が覚めた。
これは今うp中の黒い念の持ち主のものか?
それともほかの誰かのものか?
しかしこの女、なんだか哀れで、みっともない。
末路とはこういうものかと、身震いした件。