時計屋さんで改めて考えさせられる出来事がありました。

今日銀座の行きつけの時計屋さんに行ったんです。
フライトマスター2ndをオーバーホールをしてもらっている時計の事は全然待つので良いですが、修理スタッフからドンピシャなタイミングで連絡が入りました。

「フライトマスター、針を抜いたら文字盤の塗装が経年劣化で剥がれて来たけどどうします?」

コレ、悲しい事にあるあるなんですよね。
気にせずそのまま組み立てて下さいとオーダー。
→多分将来的にはスイス送りの刑
(コンプリートOH)

1970年代の時計の文字盤は印刷されたものが大半。
ただアンティークの「私の時計だけの味」と捉える事もできますけど、集めた時計は一部を除き基本的には状態の良いキレイなものを集める派です。

で、そんな出来事があり、私のシンボルとして一番のお気に入りであるこのチェコロンジンはホーロー文字盤。



コンピューターが無い時代に職人さんの技術を結集したcal.15.94という、もはや芸術的な高級懐中時計向けムーブメント。
ムーブメントは砂金地仕上げ。

精度を司るテンプに限っては自動温度補正付きのバイメタル切りのチラネジ付きテンプ。

軸受のルビーが巨大でキレイ。耐久性重視で作られたムーブメント。

前期モデルだけに採用された、1枚1枚丁寧に焼き入れをされた色褪せないホーロー文字盤。

今の技術で同じ物作れと言われたらどれだけのコストがかかるだろうか。想像が付きません。

今やとてつもなく高い評価を受けている
チェコスロバキア空軍向けのLONGINES。
今でも、「こんな超高級品がなぜ軍用⁉️」
って疑問が残りますが精度とコストに妥協しなかったロンジンの企業姿勢が伺えます。

90年も前のものが未だ劣化せず原型の美しさを留めている、全てがしっかり機能しているって言うのは今はもう確実に亡くなってますが、当時の職人さん達の卓越した腕も然り、奇跡だなとも思います。

これからも私の人生にこの子は絶対欠かせない。
改めて「不変」のロンジンが好きになった今日この頃でした。