ちょっと昔の話にはなりますが、紹介したいと思います。
2007年、当時アンティークのグランドセイコー、キングセイコーを好きで集めていた時期がありました。
その時、セイコーから凄い発表があり、時計雑誌界隈で凄い時計が出たと、沸いた記憶が強いです。
当時リーマンショックで日本経済は大変な時代でした。
グランドセイコーに初のクロノグラフが出まして。
グランドセイコーcal.9R86
スプリングドライブGMTクロノグラフ
もはや時計の必要要素全部入り!
こちらは文字盤上にSEIKOロゴがあり、
6時位置にグランドセイコーのロゴがある初期型タイプ。
クロノグラフを使う時は、クロノグラフの
防水機構のロックを上下解除するとようやくボタンが押せるようになります。
また、防水機構があるために、
クロノグラフボタンがやたらデカいです。
この大きさが絶妙な奇抜感を出して主張してくれて大好きです。
この時計はもはや一目惚れです。
デザイン的に、普通のグランドセイコーにクロノグラフとGMTを足したようなデザインセンスの高さがツボでした。
マニアックな話、
61グランドセイコーにスピードタイマーの
6138ムーブ入れたらこんな感じだろう、
って当時想像したものです。
※ケースの厚みが足りなくてムリですが。
そんなドンピシャなデザインが最高にカッコイイ。
その後、派生バリエーションが増え、セラミックをケースに使うモデルも出てきました。
もはやクロノグラフに全フリしたデザインに
変わってしまいましたが。私は初期型が
バランス取れていて好きです。
バリエーションとして増えたのが、
クロノグラフを全面に出したスポーツモデルなグランドセイコークロノグラフ。
防水機構が無くなったクロノグラフベースのデザインに変わったバリエーションです。
また、2018年ぐらいに、グランドセイコーのロゴの位置が変更になりました。
かなり好き嫌いが分かれる変更でした。
私は今のロゴ位置のバランスが悪すぎて嫌いです(キッパリ)
実物触って分かりましたが、やっぱりグランドセイコーGMTクロノグラフは最高。
で、中古相場ですが、スプリングドライブは
機械式と回路部分両方で構成されているので普通の時計屋さんでは修理ができません。部品の供給について外部に出さないようにしている?みたいなお話をセイコーのショップで聞いた事があります。その為、OHは必ずセイコー送りの為、時計市場ではプレミアが付きにくい特性があります。
OHされていないで中古で出回っている個体も多いのもその特徴です。
構造上、テンプやカンギ車を使わないムーブメントなので特殊ですよね。カチカチ音はしません。
私はいずれ買うことになりますが、やっぱり購入を後回しにしている理由はまさにそこ。
スプリングドライブモデルは時を経て安くなる。
マスターショップ限定モデルですが数は相当数出ているので入手難易度も低い為手に入れやすい。
このGSクロノグラフ、初期型については定価の半額が今の相場です。
ここが日本製と海外製の一番違うところ。
ただ、GSの技術、職人による研磨など、クオリティが再考されていて、今アンティークのGS/KS含みプレミアがジワジワ付いて値段が上がりつつあります。特にアジア圏では人気を博しています。
実用時計としては間違いなく世界一の腕時計。
グランドセイコー。
ムーブメントにスポットを当ててみます。
このスプリングドライブクロノグラフムーブメント、9R86については、販売当時、タグホイヤー、ブライトリングがOEM供給(ムーブメント供給契約)をセイコーに依頼してきたらしいですが、セイコーはお断りしたようです。
セイコーのテクノロジーをスイスには渡さない。そういう強いブランド意識があるからこそ。
この9R86ムーブメントは私が知る限り3バリエーションあります。
高精度を売りにしている9R86から、
下位グレードを設定した、
cal.5R86。ガランテクロノグラフに採用。
9R86からさらに厳しいGS規格に準拠した
高精度グランドセイコークロノグラフ用、
9R96に分かれています。
ガランテクロノグラフ。
針の位置が全てGSクロノグラフと同じですね。
改めて時計としての機能全部入りした
実用時計の最高峰グランドセイコー。
全部入りのクロノグラフムーブメント、
9R86シリーズの紹介でした。