どちらかと言えば、その高価なことで知られている『ミル』ではないかと思います。
マスターが一度挽いた豆を観てみたいと言ったので、
新型のリードミル(RG-05S)を所有している珈琲店を訪れた際、
ご店主にお願して、豆(道化宿のモカ)を、100g挽いてもらいました。
帰路のタクシーの中で、ビニール袋から漏れ出す、モカの好ましい匂いを嗅いでいると、
運転者の方から、「いや~すごい香りですね。自分も珈琲好きなんですよ。どこの店ですか?」。
と聞かれたので、道化宿の紹介をしました。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190831/19/kahve/80/6e/j/o1024068214563916663.jpg?caw=800)
【リードミルで挽いた道化宿のモカ】
家に持ち帰り、その日の夜、一杯淹れてみました。
先入観(粗い云々)が入ってしまうのを避けるため、粒度をチェックすることなく、
いつものように、高温(まぁモカでもありますし)・スピードドリップをしました。
もちろん、香りは充分です。
色合いが薄めと言うのは、目視で即時分かりましたが、一口含んでみますと、まったくの拍子抜けです。
『旨み』がのっていません。
「カッティングされた豆の表面が均一、口当たりが柔らかい、雑味が無い…」とか言ったところで、
最も肝心の旨みが出なければ、わたくしにとっては何の意味もありません。
『低温点滴抽出』をすれば、多少ならすとも出てくるのかもしれませんが、それでは本末転倒です。
改めて、目視触手してみると、挽きが粗い(機械の特徴なのか、
あるいは、ご店主の方向性なのかは未確認です)ということが分かります。
点滴抽出を行っているお店なので、それに合わせて挽いていることは、確かなことでしょう。
かつての自分であるならば、それも評価しましたが、
点滴をする前提で、雑味を嫌うため、粗く挽き、微粉を減らす…。
しかしながら、肝心の『旨み』が出なければ、何をやっても、ムダとしか思えません。
言い方が良くありませんが、高性能高価な道具の活用も大いに結構ですが、
本来あるべき味(ここでは『旨み』)が出ず、再現できないのであれば、
珈琲の迷宮に入ってしまったようなものです。
後日、挽いた豆を持っていき、マスターにお見せすると、
やはり、この粗さでは出ない(旨みが)となりました。
手持ちの『VARIO』で、いつもの状態に挽き直して淹れてみました。
しかし、これが同じにはなりません。
旨みが充分に引き出された感がないのです。
安易なことは言えませんが、仮に大金を投入して、素人のわたくしが所持したとしても、
無用の長物になるということを理解しました。