もう今はすっかり色褪せて、剪定されちゃいましたが、もうちょっと紫陽花を楽しみたかったな。




 




さて。無理矢理にお休みをねじ込みまして何もしない日を作ったりしながら、自分の時間を楽しむために頑張って?います。




こちらでも少しばかり紹介した『ノーサンガー・アビー』


"少しも美人ではなく、男の子の遊びが大好きなキャサリン。とても小説のヒロインにはなりそうもない彼女だが、年頃になりすこーし美しさを増してきた。何より彼女には本当の純真さと心の優しさが備わっている。


流行りのゴシック小説のヒロインに憧れる一方、キャサリンはごくごく平凡で善良な家族に囲まれた田舎暮らし。


幸運なことにお金持ちのアレン夫妻にバース行きを誘われたキャサリン。

そこで素敵な男性ヘンリー・ティルニーと出会う。


バースは娯楽の多い観光地。都会的で派手な美人イザベラと親友となり毎日を楽しく過ごすキャサリン。しかしイザベラとその兄ジョン・ソープになんだか振り回されがち。


そのうちにヘンリー・ティルニーの一家と懇意になり、思いもかけずティルニー家に招待される。

そこはなんと古い修道院を改装したノーサンガー・アビー!


まるでラドクリフ夫人が書くゴシック小説の舞台のようなお屋敷で何が起こるのかキャサリンは期待でドキドキ💓


しかし現実と小説はもちろん違うわけで…"



元祖ラブコメなんていうことも言われているこの作品。確かに、無垢で純粋で世間知らずのキャサリンが素敵な男性に出会って失敗もありつつ、恋をする…となると確かにラブコメですね笑


しかし根幹のテーマは当時流行りのゴシック小説に対する作者の皮肉なのかな、と思うのです。


当時は小説は「くだらない読みもの」という世間的評価で、それでいて大衆に非常にウケて流行していました。

特に流行っていたゴシック小説はアン・ラドクリフを代表するように、「廃墟、不遇の美女、不可解な事件、ヒーロー、監禁…」みたいなものが多かったようです。

↑こちら、アン・ラドクリフの大人気ゴシック小説!



ジェイン・オースティンはこういったゴシック小説を評価しつつも、「小説って、そういうものなの?もっと日常を面白く描いていこうよ!」って人だったんだと思います。

それって今では当たり前でも当時としてはすごく新しいことだった。


自分たちの生きている、普通の生活の中にこそ小説の題材がある。尊い日常だよ。


オースティンからのメッセージを

私はそんなふうに受け取っています。