23時のシンデレラ-あImage.jpg



いつの頃だろう


空に浮かぶ真綿の

雲に乗っかって

昼寝を楽しもうと

ワクワク胸を躍らせていたんだ



『大きくなってからね』



いつの頃だろう


ママが優しい嘘で

幼い自分と向き合って

微笑みかけてくれた



フワモコの雲を見ると


思い出すよ


ママ

ありがとうね


いつまでも元気でいてください




鼓動

呼吸

温もり

優しさ

香り



五感がくすぐられ

一喜一憂してしまう



そして

微笑むあなたを見ていると

第六感までもが煩くうずく



妄想だけが先走り

何一つ言えないまま



それでも

微笑むあなたを見つめながら

安堵のため息から

吐息へと変わり

あなたのすべてを

包み込み

深くあなただけを

感じていく












23時のシンデレラ-a

鼓動が優しく

耳をくすぐる


閉じた瞼の裏側には

優しく微笑むあなたが映る


吸い寄せられるように

抱きしめられ

あなたの鼓動を確かめながら

乱れて落ちていく



ひとつに解けて

あなたの中で

朽ち果てて なくなりたい




どれほど露わな姿になろうとも

どこまでも貪るように求め合っても

ひとつになれない

もどかしさが

狂おしく

艶めかしく

また求めてしまう



ひとつになりたい



だからお願い

私を抱いて














23時のシンデレラ-a