令和5年12月25日に、河北べに花プラザを会場に、「2023ふれあいコンサート」の成果検討会を開催したところ、年末の多忙な中でしたが、会員35名中27名が出席し、熱心に議論を展開しました。(予定していた2名が体調が悪く欠席)今回のブログには、開催概要や今後の主な課題、今回の取組みの特徴、アンケート分析結果についてのみ掲載しています。アンケートのコメント約200件、会員等関係者のコメント、決算は掲載していません。また、所定の字数以内にするため、アンケート一部を削除しています。なお、議論が伯仲し写真の撮影を忘れてしまいました。

 

(1)  概況と今後の主な課題

 11月19日(日)、サハトべに花ホールにおいて開催された、河北町混声合唱団の38回目のコンサートは盛会裏に幕を閉じました。ご指導いただいた鈴木、櫻井両先生を始め、ご支援いただいた全ての方々のご尽力の賜物と厚く御礼申し上げます。また、多くの会員も家庭の事情や不調等を克服しながら、練習を繰り返したことに敬意を表する次第です。昨年のように開催日の1週間ほど前からの、新型コロナ感染症の爆発的に拡大などはなく、感染は少なからずあったようですが、落ち着いてきた感じがありました。この中で、TVを活用したPR、歌謡曲stageへの参加者の募集の継続、町華道連盟のご協力による会場装飾の取組み、協賛企業の積極的な開拓、無料チケットの配布所の拡大、終了後のお楽しみ抽選会の充実、協賛企業広告集の作成等、新たな企画や従来の取組みの拡充等も行い、ステージ演奏以外の外堀を埋めて、コンサートの成功を期す形を取ることができました。結果は、小さな田舎町ですが、本コンサートには県内外から600名を超す来場者がありました。昨年より約3割増しとなり大成功考えております。アンケートは入場者の71%の431名の方から提出して頂いており、さらにそのうち209名からコメントも頂いております。どのコメントも、こちらが恐縮するくらい高い評価をしていただいております。今回のコンサートにも課題は多々見られますが、それらを十分に検討していただき、改善しながら次回のコンサートの成功に繋げていきたいと考えています。

〇 見受けられた主な課題について

ア  より魅力のあるコンサートの創造

新型コロナ感染の減少に伴い、合唱団をはじめとした文化団体や経済団体等が一斉に様々な催しを開催するようになり、曜日的に重なるところが増え、今後も来場者の減少が懸念される状態になっています。19日当時も、名の知られた合唱発表だけで山形市と上山市で行われ、相当数がそこに流れたと感じています。本年度は「合唱」の素晴らしさのほか、其れ以外の様々な取組みが功を奏したと考えており、次年度も魅力のある企画を立案し、インパクトの強いコンサートにしていく必要があると感じています。

  公共交通機関の減少に対して

遠方からご来場下さる方は、自家用車が手配できない時は、バス等の公共交通を利用するわけですが、現在日曜日は、谷地―寒河江間の公共交通は運休となり、コンサート来場者への足かせとなっています。山形市等からのご来場が減少した原因の一つかもしれません。高齢者のご来場が多いこともあり、団としての独自の交通手段の確保やコンサート曜日設定の変更等も含めて検討していく必要があると思います。

 歌謡曲stageへの参加者の募集と入会について

これまで、会員募集の取組みについては、組織内の認識が弱く、組織的関わりが消極的だったことがあります。歌謡曲を歌うようになってから、これを好機と捉え参加者を募集し、より多くの方に河北混声の楽しさを感じていただき、機会があれば会員になっていただくことを目指しているわけです。取り組み3年目ですが、それなりの手ごたえを感じています。現在は、ステージ参加者から会員になる方は少数ですが、その企画を見て入会する方が多い状況のようです。ただ、その趣旨を理解し、会員全員が町民の方に訴えかける姿勢が足りないと感じています。(一部の方のみ積極的に動いて頂いています)高齢者も多い合唱団でもあり、次の世代の加入や育成は待ったなしの課題です。歌への関心のあるご友人や家族等をぜひ見学に連れてきて頂きたいと思います。

また、見学や入会した方に対しては、できるだけやさしくご指導いただきたいと思います。ステージで歌ったことのない方に、団員がこれ見よがしに圧倒するような指導では、長続きしなくなりますので、十分ご配慮いただきたいと思います。

 企業・団体等の協賛広告の確保について

協賛広告等に対しては、批判的な意見や嫉妬のような言い方などもされていましたが、最近は大分減少してきたようです。ヨーロッパなどは数百年前から、「メセナ」という制度があり、芸術・文化を企業や資産家が保護育成するという方式が取られてきました。日本でも社会が豊かさを帯びてきたころから、その流れが目立ってきており、特に2000年頃からは企業の社会的貢献(CSR)活動として、文化団体の育成や環境保全活動等に対して、企業・団体等が支援する例が増大しています。ただ、田舎町でこれを実施するのは結構骨がおれます。中には河北町だからやれるなどと言われる方おりますが、これまでの80年にもわたる音楽関係者の熱意がそうさせているものと感謝しています。また、企業へのチケット配布等により一方的に支援をいただくということではなく、これまでチケット等が届きにくい部分(日・祭日も働いている業界)への、理解者の開拓の視点が強いわけであり、アンケート結果を見ても来場者の確保に一定の影響を与えているものと考えています。これまで企業協賛広告等をあまり考えてこなかった会員の方も、是非働きかけて頂きたいと思います。(歌を覚える以外にこれを行うのは、体験した方しか分からない大変さがあります)

 文化団体とのコラボの取組み

本年度は、以前から温めてきた企画として、町華道連盟とのコラボを実施できました。特に会場装飾班にはお手数をお掛けしました。ありがとうございました。同じ町内で、文化団体同士の理解促進は大切な取り組みと考えています。道は違ってもお互いに刺激し合い、参考にしたり、共同の取組みを実施したりすることで、幅広い視点からの芸術文化の追求に寄与することにもなると考えています。次年度は日本舞踊界のメンバーとのコラボの可能性を検討しています。(町民歌等)

  その他

①  中学生との連携については、学校での交流会(演奏会)のほか、中学部活動の外部への移行の動きがあり、団としてどのような対応が可能か検討する必要があります。担当メンバーを選任し検討を深めたいと考えています。②  コンサートの準備作業の役割分担や当時の差し入れ物等について、検証する必要があると考えています。③  退場時の入口付近の混雑について、著しい混雑がみられ検証する必要があると思います。等

 

(2) 本年度の取り組みの特徴 

ア 一定の感染防止対策を継続しながらの開催

① 練習時に、年度途中からマスク着用は自主的判断に切り替えなどし歌いやすさ等に配慮しほか、換気や立ち位置の距離の確保(前後2m、左右1m)、準備・後始末当番体制(少人数での準備後始末等)を継続した。

② コンサート時の、歌い手や聴衆のマスク着用は任意とし、会場は全席を活用する形態とした。(入場者609名+関係者約60名)また、手指消毒液は入口やトイレなどに設置すると共に、休憩時には、会場ドアを開け換気を促進した。

 町華道連盟とのコラボ

曲想に合わせた創作生け花の展示は大変好評を博した。文化団体同士の共演や連携等の在り方に一石を投じたものと考えている。

ウ 歌謡曲を歌うステージへの参加者を継続募集し、親しみやすい合唱団のイメージを作り出した。(町内4名、町外2名参加)

エ 入場料など

団員数の増加、昨年来の剰余金、企業協賛数の維持等の結果、入場料無料とし、この方法による集客の状況等も把握した。

オ プログラムなど

図柄に、曲想を豊かに醸し出すため「落葉樹の並木道」の写真を活用、プログラムには全体時間短縮等のため、来賓及び主催者挨拶文を掲載。プログラム製作数は最終的に関係者分も入れて1,000部とした。チケットの裏面に、すべて番号を付けある程度追跡可能とし、入場者の動態を把握した。また、チケットすべてを入場箱に投入する形態で接触を少なくすると共に入場作業を効率化した。

カ 会場運営班の設置

駐車場、受付、会場内等に雇い入れメンバー等を配置した他、事前に運営班の会議を開催し、主旨の徹底を図った。また、団員の受付班等が可能な時間内での協力を実施した。

キ ㏚及び聴衆の確保について

3年ぶりに「YBCぴよ卵伝言板」への出演や集客の多い市町施設や書店、音楽店等に、チラシ及び無料チケットを配置し広範に配布できる形にした。また、コンサートを支援してきた企業等に対する招待チケットとの配布し一方的支援にならない様にすると共に、企業を通した新しい配布ルート開発を継続した。

ク 協賛広告など

企業協賛等は無理のない形で要請し、68社の広告集を作成ししプログラムと一緒に配った。(2社は要望により不掲載)

ケ その他

①3年ぶりの打ち上げ実施。 ②動画と写真撮影の2名を確保 ③ 強化練習会の充実 ④お楽しみ抽選会の充実 ⑤女子トイレ一方通行の継続実施 ⑥ ロビー等でのお見送りと贈り物の受理再開

 

(3)  アンケート分析等 2023ふれあいコンサートアンケート結果

※集計等は、アンケート班等13名が、122日に「どんがホール」で実施した。

ア 来場者数(名) イ アンケート回収率(枚) ウ  性別(名)

年度

来場者

増加率

 

年度

回収数

回収率

配布数

 

年度

男性

女性

2023

609

35%

2023

431

71%

609

2023

85(20%)

346(80%)

2022

450

🔺14%

2022

387

86%

450

2022

70(18%)

317(82%)

2021

524

95%

2021

394

75%

524

2021

82(21%)

312(79%)

2020

269

▲57%

2020

239

89%

269

2020

43(18%)

195(82%)

2019

628

4%

2019

437

73%

600

2019

87(20%)

350 (80%)

2018

601

9%

2018

420

70%

601

2018

74(18%)

  346(82%)

2017

553

14%

 

2017

381

69%

553

 

2017

67 (18%)

  314 (82%)

2016

486

▲10%

 

2016

279

57%

486

 

2016

 51 (18%)

  219 (82%)

2015

543

29%

2015

209

70%

300

2015

 36(18%)

 165 (82%)

2014

422

2014

204

68%

300

2014

35(19%)

 152(81%)

※コンサート前は、一部にインフルエンザや新型コロナの感染が報道されていたが、昨年度と異なり大きな混乱はなく開催できた。なお、会場ではマスクを付けての鑑賞が多かった。※アンケートはプログラムに折り込み手渡すと共に、退場の際に数個の回収箱に入れていただいた。※入場者609名+関係者約60名で、計670名程度のコンサートと推計している。※アンケートの回収率は昨年度より15ポイント下落したが、高い水準にある。男女比は例年と同様の傾向。

 

エ 年代別 (アンケートより)                                          (単位:名)

年度

10代

20代

30代

40代

50代

60代

70代

80代超

摘    要

2023

6

2

6

7

24

122

206

58

431

60歳以上は90%

2022

4

1

3

7

20

110

187

55

387

60歳以上は91%

2021

3

2

3

7

25

128

180

43

394

60歳以上は89%

2020

 2

  4

 2

 10

 93

 97

 30

238

60歳以上92% 1名年代不明

 2019

 1

  4 

   3

15

25

170

170

46

434

60歳以上は89%

2018

  5

  1

   6

14

36

182

135

41

420

60歳以上は85%

2017

8

3

5

11

34

150

131

29

381

60歳以上は81%

2016

7

2

5

9

26

117

70

33

268

60歳以上は82%

2015

9

6

2

14

68

78

22

199

60歳以上は84%

2014

3

8

7

18

87

70

3

196

60歳以上は82%

※全体的に全ての階層で増加しているが、60代以上での増加が目立つ。入場者が高齢化しており、60代以上の9割超えが続いている。様々なセーフティネットを構築しながらコンサートを開催する必要が有る。※車椅子の方が三名来場し付き添いと会場係が対応したが、今後も増加が予想され十分に検討を要する※若い方の来場は微増しているが、アンケートの個別分析や聴き取り等でPR等の対策を検討したい。※キッズルームの活用等もあったがさらにPRする必要がある。

 

オ 市町村別 (2023年はアンケートからのみの比較)              (単位:名)

年度

河北

寒河江

山形

東根

村山

上山

摘要

2023

283

(66%)

61

21

24

6

1

35

431

天童9.西川8.朝日5.中山4.山辺3.大江1.尾花沢1.真室川1.宮城県2.東京都1               

2022

 

 

281(62%)

(実数)

48

 

33

 

21

 

12

 

4

 

51

 

450

 

天童22. 西川8. 大江5朝日4. 大石田3 .山辺2金山2. 中山1.  尾花沢1 米沢1 .宮城県2

240(62%)

(アンケート)

45

30

20

12

1

39

387

天童16 西川7 大江3 朝日3  大石田3 山辺2金山2  中山1  宮城県2

2021

316(60%)

(実数)

67

38

27

14

12

50

524

西川10、天童12、朝日6、大江7、尾花沢3、山辺3、中山3、真室川1、宮城2、山梨1、東京1、高知1

228(58%)

(アンケート)

53

24

24

15

13

37

394

西川10、天童6、朝日6、大江5、尾花沢2、山辺2、中山2、宮城1、山梨1、東京1、高知1

2020

179(67%)

(実数)

23

22

12

5

9

19

269

大江7、上山4,朝日2、西川2、山辺2、中山1、真室川1

157(66%)

(アンケート)

18

21

9

4

8

21

238

大江7、上山3、朝日2、西川2、山辺1、真室川1、不明5

2019

262(60%)

43

41

21

12

9

49

437

大江8、朝日7、上山4、西川4、中山4、大石田3、金山2、酒田1、山辺1、真室川1、不詳6、宮城4、栃木1、群馬1、埼玉1等

 

                 
                   
                   
                   
                   

※アンケートでは66%が町内で、昨年度より4ポイントほど上昇している。コロナ後のイベントの急増による開催日の重なりと高齢等により、近間の会場に来るケースが増えているのか。他のコンサートを圧倒するような歌唱力や魅力的企画等を検討する必要があると思われる。

町内からの来場実数は400名程度と推計される。(町民のうち40名に一人程度が来場した)この数字を見て、町民の多くの方が強く聴きたいといった状態にはないことも認識すべきと思います。約1万7千名の高齢化している町で、混声合唱に興味のある方は限りがあり、他市町への一層のPR強化の必要性がうかがえる。

カ 駐車場の利用 (アンケートより)                                        (単位:名)

年度

サハト

あいこども園

所岡中部公園

その他

摘要

2023

236(71%)

64(19%)

2(1%)

31(9%)

333

 

2022

244(79%)

45(15%)

1(0)

19(6%)

309

 

2021

203(67%)

42(14%)

2(1%)

55(18%)

302

 

2020

 165(94%)

  4(2%)

  1(1%)

6(3%)

       176

 

2019

220 (59%)

72 (19%)

49 (13%)

29 (8%)

       370

 

※通常のクレームはあったが、雪がなく比較的スムースに駐車できたようだ。

 

キ コンサート全体の評価  (アンケートから)                             (単位:名)

評価区分

大変良かった

良かった

普通

良くない

其の他

摘        要

2023

275

108

2

385

良かった以上99%

2022

244(70%)

99(28%)

4

1

1

349

良かった以上98%

2021

261(75%)

82

3

0

0

346

良かった以上99%

2020

165(77%)

49

5

0

0

215

良かった以上98%

2019

227(61%)

135

9

0

1

372

良かった以上97%

2018

257

118

6

1

0

382

良かった以上98%

2017

264

118

4

1

1

388

良かった以上98%

   2016

173

81

1

0

4

259

良かった以上98%

※良かった以上の割合が昨年度と同様。全体的にも前同様の割合と考えている。

 

ク 印象に残った曲 (アンケートから、複数選択可)                        (単位:名)

曲目

ふるさとを歌う

瀬戸内寂聴

昭和の歌

デュエット曲

摘要 複数回答

2023

206(25%)

169(21%)

218(27%)

223(27%)

(816)

 

2022

(ふるさとを歌う)

180(25%)

(心の四季)

136(19%)

(新井満)

184(26%)

(歌謡曲ステージ)

211(30%)

 

2021

(ふるさとを歌う)

196(27%)

(美しい春の来る村)

 156(21%)

(男)

171(23%)

(歌謡曲)

216 (29%)

 

※「唱和の歌」「デュエット曲」ステージの人気は予想されたところ。「瀬戸内寂聴」難解な感じもあつたが健闘している。「ふるさとを歌う」ステージでは「群青」の評価と「赤とんぼ」の斬新さなどがあると思われたが伸びなかった。

 

ケ 歌謡曲ステージへの評価

区分

良い

課題有り

参加したい

2023

365

3

13

381

2022

273

5

9

287

2021

287

3

11

299

好評であり、継続して実施することが大切。特に、このことで入会者の確保に繋がっている。

 

コ  華道連盟とのコラボ

区分

良い

普通

不明

コラボ促進

  摘要

2023

336

20

17

21

(394)

※初めての取組みであったが、「良い」と「コラボ促進」で91%程度でありまずまずの評価と考えている。なお、複数回答にすることでさらに伸びたと思われる。コメントでも高い評価があり、他の芸文団体とのコラボを検討する価値があると考えている。