『みんな我が子ーAll My Sonsー』東京千穐楽おめでとうございます花束



途中、中止になってしまった公演もありましたが、無事に再開し東京千穐楽を迎えることができて良かったですね。



私も1回だけですが観劇することができました。



若干ネタバレがあるかもしれないので、観劇前の方はUターンをお願いします。





舞台は第二次世界大戦後のアメリカ。

ケラー一家の苦悩や葛藤、そして崩壊の物語。



今回内容は予習せず行ったので、どうなっていくんだろうという疑問とともに、物語に引き込まれていきました。



父(ジョー)が会社を経営し、メイドを雇う余裕のあるほど裕福な家庭。

ご近所との関係も良好で、休日には近所の人たちはジョーを慕って集まってくる。


戦争に行ったきり帰ってこない次男を母が待ち続けていること以外は、一見するととても円面な家庭に思える。


けれど物語が進むにつれて、それはどうやらまやかしだと気がつく。


………というようなストーリー。




悲しいかな、人は誰しも打算で生きているし、心の何処かに弱さや甘えを持ってる。


見知らぬ誰かが犠牲になっても、自分やその家族が被害を被らなければいいって考えてしまうこともあるし、限りなく疑わしくても、それが自分の信じたくないものであれば真実から目を背けたくなることもある。


心のうちでは相手に含みがあったとしても、諍いを起こすくらいならと表面上の平和に縋ってしまうこともある。



今回の物語はそんな自身の弱さや甘えによる過去の過ちが、巡り巡って結局一番大切にしたかったものを奪ってしまうということになったのだけど、不思議と後味の悪さは感じなかったというか。


かといって清々しいわけでもないんだけど。



ただ、ジョーの選んだ結末に「そうか…」と思った。

あの結末を選んだのは、絶望からなのか、最後まで甘えだったのか悩むところ。



きっとこの先もクリスは苦悩と後悔を抱えて生きていくんだろうな。





セリフの量もそうだけど、熱量のあるお芝居であっという間でした。


皆さんいい声なんだよね。