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先端ポピュラー音楽中学院中学・旧本館

「新しくてしかもいい曲」を目指して曲作りをする、
“当学”の助手兼学生・Kaguemoriの迷走っぷりを楽しむブログです。

当ブログ「先端ポピュラー音楽中学院中学」の“別館”として、noteアカウントを開設しました。
https://note.com/kaguemori 

デフォルトで数式も使えるようになったと聞いて。
更新頻度は低めかもしれませんが、そちらもよろしくお願いいたします。

 

追記: noteに記事をアップしたときは、当ブログにもURLを貼ることにします。

 

 

エドワード・ホッパー『ナイトホークス』という絵をご存知かもしれません(Edward Hopper, ``Nighthawks,'' 1942)。→ Wikipedia
自分は数年前知人から聞いて初めてホッパーの存在を知りましたが、「アメリカン・シーン」[1]と呼ばれる、1920年代から40年代ごろの米国の、都市部や農村部の情景を描いた一群の作品・作家たち、その代表的な一人だそうです([2]p.114-117)。

 

たぶん、その時代のアメリカ社会のリアリスティックな風景・情感が封じ込められているアート作品、と言ってよいのでしょう。

 

ずっと以前に、音楽の歌詞に関連して、「テクノロジー系のワードは科学系のより旬の短い傾向がある」という意味のことを書いたのですが、でもすでにサービス終了した“ポケベル”がモチーフの曲の逸話は、いまや有名ですね――「今しかない、この時代を封じ込める」みたいな制作意図。そしてそういう曲たちは(たとえいったんワードの旬がすぎたように思えたとしても)また年月がたつごとに、あらためて価値が増してゆくような予感があります。ホッパーの『ナイトホークス』のように。

 

つまり“時代の肖像画”(あるいは自画像)とでも言うべきタイプのアート作品や音楽作品があって、その時代時代の情景がまるで真空パックのように保存されている。そして作品をひも解くたびに時代が甦るという――。
たぶんいずれは、アート史や音楽史の本と一緒に味わうのがベストマッチングな感じになるのかな。いわば、琥珀のような、魅惑的で普遍的な…そうだ!琥珀色の何かもいる。カンパーイ泡!

 

References
[1] アメリカン・シーン | 現代美術用語辞典ver.2.0
[2] 千足伸行、『すぐわかる20世紀の美術―フォーヴィスムからコンセプチュアル・アートまで』、東京美術、2008年。