音楽には、譜面で言うとき「タテを重視する」音楽と「ヨコを重視する」音楽があると聞いたことがあります。たしかにざっくり言えば、タテつまりハーモニーや合奏面を主に重視するタイプの音楽と、ヨコつまりメロディーや特定のリズムパターンを重視する音楽とに分けることができるのかもしれません。もちろん、実際にはどちらかに割り切れるというものでもなくて、両方の要素を含むことでしょう。
ちなみに、これをもう少し物理的に言うなら、
- タテは、ある瞬間(=非常に短い時間のあいだ)における音のスペクトル分布、つまりどんな高さの音を含んでいるかという観点であり、
- ヨコは、その音(の重なり)が時間的にどのように変化していくかという観点。
言い換えれば、波長を縦軸に、時間を横軸にとった2次元面における、発音強度の分布が音楽だとも言えそうです。(とても単純化した言い方ですが。)
さてさて、音楽に存在する様々な「様式」も、あえて分類すれば、このヨコとタテとに分けることができるかも?というのが今回思ったことです。詳しくないですが思いついた範囲で列挙してみます。
1. タテのほうの様式としては、少なくとも
- ピタゴリアンや平均律や、もっと違うインド音楽などなどの、音律≒チューニングに関する様式だったり、
- 西洋12音階だったり8音音階や、無調音楽などの、音階(≒調性≒ハーモニー?)に関する様式、
- スリーピースバンドやピアノトリオや弦楽四重奏など、楽器編成に関する様式、
- 3拍子や4拍子やシャッフルなどの、合奏における全体的なリズム感(≒拍子?)についての様式、
などがあるでしょう。もちろん、もっといろいろあると思います。
2. ヨコのほうの様式としては、
- 合奏についてでなく旋律(メロディ)の音階に関する様式(ブルーノートを使うとか、ヨナ抜き音階=ペンタトニック etc.)だとか、
- パーカッションなどの特定の楽器・パートが奏でるリズムに関する様式(ボサノヴァのリズム etc.)、
- ポップスに使われるリフレイン形式や、フーガ(追走曲)、ソナタ形式やメヌエット形式だとか、さらにそれらを組み合わせた組曲や交響曲などの、楽式に関わる様式、
が例として考えられます。
すみませんまったく行き届かない例示ですし誤り等々あったらごめんなさい。以上は前置きであって、後日、本題に続く予定です(※特に最後の「楽式」について調べたかった)。