ちょっと振り返り。


エンクロージャーの振動を極力減らせたら良いのでは?

↑これがスタートラインです。


例えばこんなスピーカー。鋳物製でとても重たく振動しづらい。




内部もこのように共鳴を減らすカタチ。


とても買える値段ではなかったので、

ハードオフで鉄瓶を買ってきて、ユニットを取り付けてみました。これは全然だめ。重さと容積が足りなかったのでしょう。


振動しても音を発しない素材は何か?

→油粘土どうだろう!指で弾いても音はしません。

ということで、作ったのがこれ。

プラザル+ベニアの骨格でそこに油粘土を乗せています。プラザルの外も内も粘土で覆われています。


結果は非常に良かった。これまで再生音として耳にしたことのない種類の音でした。生音への手応えがあります。あの難しいオーケストラ再生に手が届きそうなところまで一気に来ました。


情報量増加

立ち上がり立ち下がりの向上(特に下がり)

音場の広がり

楽器の聞き分けがしやすい

などですが、

ピアノで顕著です。コロコロと軽やかな音を聞かせてくれます。明らかな違いです。


ピアニストが指を戻せば音は消えます、生音は。

しかし、エンクロージャーが鳴っていればオーディオ再生音としては続いてしまう。これが大問題で、演奏から軽やかさが失われています。おそらくほとんどのスピーカーでは、ピアニストの意図とは違う音を聞かされています、我々は。


これもずいぶん実験を重ねて、

① 形は球に近い方が良い

② 外内ともに粘土で覆った方が良い

③ 弦が引っ込みがちなので、ユニット後ろを構造的に支えてやる

④ エンクロージャーが振動してなくても、内部の反響は起こっている

などノウハウも蓄積しました。


しかし、どうしても『扱いにくさ』という欠点が残ります。



そこで以前から気になっていた、音工房Zのキットを購入。

非常にコスパの良い製品ですが、ノーマルでは油粘土スピーカーに負けてました。それはそうです。

エンクロージャーの振動対策はされてないのですから。



少しずつ対策を施します。
レゾナンスチップと制振塗料です。
内部にはレゾナンスチップが虫の卵のようにびっしり。



ユニットのフレームには制振塗料。


ついにはエンクロージャー内部にも。



さらに外部にもM2052制振塗料。(勇気要りました)



ここまで来て、油粘土スピーカーと並んだと思えます。



おっと、こんなこともしてます。

重たい欅で平面バッフル、オープンバッフルの実験です。

重さと強度で振動を押さえ込む方向の実験です。

(こちらも今後展開していきますよ)


まとめ

エンクロージャー振動対策は有益

油粘土スピーカーは最高

木製エンクロージャー+制振対策で、油粘土に近づける