はじめに

このテーマでは、デンマークの家具デザイナー Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)が、張りぐるみの椅子を得意とした工房AP Stolen向けにデザインした椅子を紹介しています。

 

なぜAP Stolenなのか?

AP Stolenの製品型番は、ほぼ時系列通りに振られているので、全体を通して見るとウェグナーのデザインが年を経るごとにどのように変化していったのかがよく分かります。

過去記事一覧は下にありますので参照ください。

 

スツール AP29のスペック詳細

前回はハンス・ウェグナーのハンス・ウェグナーのママベア『AP28』をご紹介しました。

今回は、スツール 『AP29』をご紹介します。

 

参考文献は、ウェグナー家具の販売代理をしていたSalesco社の1964年のカタログ。

 

こちらが、AP29。

ハの字に開く脚部とハンドル付きの座が印象的なスツールです。

PPモブラーから現行品(PP120)が出ています。

 

デザイン

1953年頃

 

サイズ

幅:71cm

奥行き:42cm

高さ:40cm

座面高さ:?cm

 

素材

樹種

ハンドル:チーク、オーク、ビーチ

脚部:チーク、オーク、ビーチ

 

生地

ファブリック、レザー

 

1964年当時の価格(DKK)

オールビーチ:205

オールオーク:205

アームチークx脚ビーチ:205

アームチークx脚オーク:215

オールチーク:220

 

使用生地量(カタログ値)

0.6 x 0.65m

 

どんな椅子?

GE290のオットマン(GE290S)の幅が52cmなのに対し、このAP29は幅が71cmと幅広でスツールとしては大型の部類になります。

 

当時はスツールとしての使用を想定されていたのかは分かりませんが、足を置くオットマンとして使われることが多いようです。

 

特にベアチェアとセットになることが多く、ベアチェア用のオットマンとして広く認知されていると思います。

 

ただ、カタログの写真がママベアチェアとセットになっていることと、材の選択肢がママベアチェアと同じことから、はじめはママベアのオットマンとしてデザインされたのかもしれません。

 

カタログにはありませんが、材にローズウッドもありローズウッド仕様のベアチェアに合わせられるようになっています。

 

カーブした座面と、丸みを持った太めのハンドルが素敵です。

座とテーパーのきいた脚部とのバランスが上手くとれています。

 

パーツとしては座面、ハンドル、脚部に分けられます。

ハンドルと脚部の樹種を選べ、座面フレームはビーチ材が使われています。

 

座り心地は?

座のクッションは、触ると繊維質の手触りがすることから、馬毛や綿などの天然素材が詰められていると思われます。

クッションは薄めでかなり硬めの座り心地なので、長時間使い続けると疲れそうです。

 

どんな人にオススメ?

やはりオットマンとしての使用がおすすめです。

特にベアチェアとセットで使うと、統一感が出てかなり安楽性が高くなると思います。

 

ベアチェアだと座角が深いので、足が斜め上に伸びる感じです。

 

ママベアだと足が水平に伸びます。

 

どちらもただでさえ素晴らしい安楽性が更に高まります。

本体の椅子を手に入れてから、その安楽性の高まりを想像して欲しくなる、ある意味危険な椅子です。

 

読んで頂き、誠にありがとうございます。

 

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の過去記事

ハンス・ウェグナーのイージーチェア 『AP-15』

ハンス・ウェグナーのイージーチェア 『AP-16』

ハンス・ウェグナーのソファ『AP-18S』

ハンス・ウェグナーのパパベアチェア『AP-19』

ハンス・ウェグナーのミニベア『AP 20』

ハンス・ウェグナーのママベアチェア『AP 27』

ハンス・ウェグナー ママベアチェア『AP28』

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